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MAGIC MASTER

31竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2011/10/01(土) 22:05:08 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp

 コウヤと交戦しているジークという男は、鍔迫り合いになりながら、ジンと鎌男のジョーカの戦いを見ていた。
 よそ見している相手に僅かに苛立ちを覚えるコウヤ。
「……結構余裕あるんだな、アンタ」
「そうじゃない」
 ジークは否定した。
「見ておきたいのだ、ジンといったか。彼の、二つ名の由来の象徴を」
「心配すんな」
 コウヤは相手を押し返し、刀を握る手に力を込める。
「俺のも見せてやる」

「……へへ、随分と余裕だなァ。お前。俺には人質がいるんだよ。向こうばっか狙われちゃ、向こうの氷女に負担がかかっちまう」
「そーだな。これ以上冷蔵庫に貸し作るのも嫌だし。とっととお前を潰しちまうか」
 ジンの刀に纏っている炎が、メラメラと音を立てて燃え盛っている。電撃の方も、バチバチといいながら迸っている。
 ジョーカは口の端を歪ませながら、
(馬鹿が。何がAランクの端くれだ。どーせ、おまけでなったような奴だろ。そんなホラ吹きを何人ぶち殺してきたと思ってんだ)
 鎖に繋がれた鎌をブンブンと振り回し、鎌を投げる。
 ジンに向かってではなく、人質に向かってだ。
「アイツ……!」
「心配いらねぇ」
 動こうとするカンナをコウヤの言葉が止める。
 コウヤはジークと刃を交えながら、
「ジンは強ぇからな」
 カンナが言葉の意味を理解するよりも早く、投げられた鎖鎌の鎖が断ち切られる。
「……ッ!?」
 ジョーカは何故こうなったのか分からず、首を傾げている。
 カンナ、コウヤ、リリィ。誰も何かしたようには見えない。だったら誰がやったかもう確定している。
 ジンだ。
 ジョーカは前方を見るが、そこにジンの姿はなかった。
 切羽詰るジョーカは言葉が出ない。
 彼は気付かない。自分の後ろにジンがいることに。
「よぉ。汗すごいぞ。タオルいるか?」
 ジョーカはジンの声に大きく動揺し、一気に後ろへ下がる。
 ジンの刀により一層炎と雷が纏う。
「……言ったよな、俺の二つ名の由来を見せてやるって。ついでに名乗っといてやるよ」
 気付くと、ジンは一気にジョーカとの距離を詰めていた。
「ッ!?」
 最早、ジョーカの口から言葉は出ない。
「『炎雷の走者(えんらいのそうしゃ)』だ。覚えとけ、三流が」
 ジンの二つの刃がジョーカの身体に、バツ印の傷を刻み込んだ。


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