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MAGIC MASTER

3竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2011/06/25(土) 00:40:54 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp

「いやぁ〜、いいことした後って、自然と表情が綻ぶねぇ〜!」
カンナは集落を後にして、山道を歩いていた。
集落を襲った盗賊を壊滅させ、盗賊たちに『もう二度と襲いません』と村人一人一人に土下座させ、盗賊たちを追い払ったのだ。
村人達はお礼としてお金や食料を渡してきたが、カンナは彼らの戦い気持ちだけを頂き、お礼の品は受け取らずに、ここまで歩いてきた。
「ふぅー、あれで盗賊たちも改心すりゃあいいけどなぁー、そうそううまくいかないのが人生って・・・・・・」
そこで、カンナの言葉は途切れる。
攻撃を受けたからではなく、木の影から自分を狙う視線を感じたからだ。
視線を感じる木を見つめ、
「誰?」
と短く訊ねる。
木は答えない。答えの代わりに木から黒い影が飛び出してくる。
「ッ!!」
その黒い影は刀を持っており、的確にカンナの首筋を狙ってくる。
だが、カンナも自身の右手に氷の剣を創り出し、相手の刀を防ぐ。カンナが相手を押し返し、相手は宙で何度かくるくると回り、地面へと着地する。
「・・・いきなり?出来れば私の質問に答えてほしかったなァ〜」
カンナは冷や汗を流し、そう言うと黒い影の容姿が分かってきた。
茶色が混じった黒髪をツンツンに尖らせており、黒いコートに黒ズボンといった、全身黒のカンナと同い年くらいの少年だった。
男は、カンナを見たまま、
「・・・『氷の女帝』、だな?」
「そのあだ名嫌いなんだけど。私の二つ名だとしてもね」
カンナの『氷の女帝』というのは、彼女が魔法学校を出るときに与えられた称号のようなものだ。
Aランク以上で合格するとそういう風に称号がもらえる。
カンナはSクラスで合格したのだが、更に上には、『聖魔法師(せいまほうし)』や『神術師(かみじゅつし)』といった名前だけで強そうなランクがある。
「アンタの称号は?私を襲う奴なんて決まってるよ。実力を面白半分で試す馬鹿か、自分と拮抗しているのか真剣に勝負を挑んでくる賢い人か・・・アンタはどっち?」
カンナの問いに、男は答えない。
相手は僅かに笑みを浮かべ、
「・・・どっちかは、お前が決めろ」
男は再び、カンナへと斬りかかる。
しかし、男の刀に刀身はついていない。この状態で斬りかかるのは頭が可笑しくなった奴か。だが、魔法には刀身がなくても攻撃できる方法がある。
カンナは横へ半歩かわし、相手の攻撃を避け、更に二歩後ろへ下がり、相手から距離を取る。
「・・・かなりレベル高いじゃん。そのレベルの高さは初めて見たよ、『思念(しねん)使い』」
男はその言葉に歯を見せ、笑みを浮かべる。


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