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MAGIC MASTER

29竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2011/09/11(日) 21:49:23 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp

「こっちも四人、敵も四人。よっしゃ、互角!」
「互角なもんか、アホ」
 カンナの勇んだ言葉をコウヤは一言で斬り捨てる。
 コウヤはカンナが殴り飛ばしても全然ダメージを負っていない大男を見ている。
「お前が殴ったアイツ。他の三人と比べて明らかに格が違う。恐らくこの四人のリーダーだ」
 上等じゃない、とカンナは指を鳴らす。
 そして大男を指差して、
「アンタの相手は私よっ!!」
 そう宣言する。
「おい。あの女、人の話聞いてねーのか」
「強いと聞いたら興奮すんだよ。アイツ」
 ジンとコウヤは頼りになるのか、ただの馬鹿なのか分からないカンナを見て溜息をつく。
 リリィは他の三人を見回して、コウヤとジンに問いかける。
「で、私達はどうするの?」
「ああ、そうだな。あのリーダーっぽいは冷蔵庫に任せるとして……」
 冷蔵庫って私のこと!?とカンナが反応する。
 おそらく『クライシス』内で勃発した喧嘩で氷を使う様子を見て、そういうニックネームを命名したのだろう。
「俺達はそれぞれ攻撃を仕掛けた相手でいいだろ」
 コウヤがそう呟く。
 だとすると、コウヤは侍風の男で、ジンは大鎌を持った細身の男で、リリィはキセルを吸っている女性になる。が、
「嫌だッ!!」
 ジンだけは納得しなかった。
「何でだよ」
「だって!あの鎌ヤロー、明らかに一番弱いじゃねぇか!」
「あァ!?」
 ジンの言葉に鎌男の顔は不快に染まる。
 ジンのワガママにリリィは溜息をつく。
 姉としてなのか、それともこれ以上面倒にならないようにか、場をなだめようと言葉を発する。
「じゃあ私の相手揺するから。それでいいでしょ?」
 だが、リリィの顔のすぐ横を何かが通り抜ける。
 反応できないほどの速さだったが、飛んできた方向だけは分かった。
 キセルの女だ。
 女は煙を吐きながら、
「人を物みたいに扱わないでくれる?小娘」
「……あーあ、完全に目をつけられちゃった……」
 リリィは引きつった笑みを浮かべる。
「だ、そうだ。俺もさっきからあの男に睨まれてるんでな。相手の変更は不可能だ」
 ジンは小さく舌打ちをして鎌男を見つめる。
 男は激しい怒りに満ちた表情をしていた。
「だな。さっさと終わらせてやるぜ」
 大男は戦いが始まりそうな空気を感じていた。
 そして、目の前にいるカンナを見て、
「……まず、主の名を聞こうか。私はヴィゾー」
 カンナはフッと笑みを浮かべて、拳に氷を纏わせる。
「『氷の女帝カンナ』。よろしくぅ!!」
 カンナ達にとって、『ミストスモーク』との初戦が始まる。


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