したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

MAGIC MASTER

24竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2011/08/19(金) 19:03:26 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp
第9話「クライシス」

 カンナはとりあえずコウヤとジンの戦いが終わったようなので落ち着き始めた『クライシス』内の皆に状況を話す。
 自分達が『光る原石(ホーリーストーン)』を探していること。その上で『ミストスモーク』という組織と戦わなければいけないということ。それでコウヤが力を貸してほしいということ。
 ジンは腕を組んで、目を閉じ、うんうんと頷いていた。
 話を聞き終わり、しばらく話の整理をしていたジンは目をくわっと開けてコウヤの胸倉を掴む。
「何で俺がテメェの部下みてーな扱いにならなきゃいけねーのかなー?コウヤちゃんよ」
「嫌ならいいんだぜ?お前だけには頼らないから」
 再びコウヤとジンは戦いを始める。
 カンナはあわあわと慌て始めるが、カンナと同じ年くらいの黒髪の少女がカンナに肩にぽん、と手を置いて、
「大丈夫よ。二人とも何だかんだで手加減してるから。私とジンとコウヤ君は8歳からここにいるわ。二人の喧嘩は何度も見てきたから分かるの」
 カンナはその少女の言葉に違和感を覚えた。
 ジンのことは呼び捨てにしていたのに、コウヤのことは君付けで呼んでいたのだ。
 ジンの彼氏なんだろうか、と思っていると少女から名乗ってくれた。
「私はリリィ。ジンとは双子の姉なの。全然似てないでしょ?」
「双子ッ!!!???」
 カンナは思わず吹き出してしまい、喧嘩を眺めていたスィーナ達も、殴り合いに発展していたコウヤとジンも一斉にカンナを見る。
 ジンは溜息をついて、
「まあ見えないわな。髪の色からして似てないしィ」
「俺も十年前からコイツらと一緒にいるが似てると思ったことはねぇな」
 『私も』『俺も』『僕も』と全員が一様に声を出す。
 髪の色、目つき、他に至るまで何も似てはいなかった。性格も真逆そうだ。
「それより、あなたの名前は?」
「あ、カンナです!」
 リリィに名前を訊ねられ、カンナは僅かに頬を赤くして答える。
 リリィはクスッと笑うと、
「あなたも『クライシス』に入る?だったら免許作らなくちゃね」
「免許?」
 カンナが首をかしげていると、顔の整った青年は、
「通常は面接と実技が必要なんだけど、カンナって言うと結構有名だからね。実力は測らなくても分かるし、コウヤの友達なら不審がる者はいない」
 男は丁寧に説明してくれた。
 ちなみに僕はアランっていうんだ、とついでに名前も名乗ってくれた。
「んじゃ、今日はコウヤの帰還祝いと新メンバー加入を祝して、皆で騒ごー!!」
 スィーナの掛け声で『クライシス』内の皆のテンションが上がっていく。
 宴を前にコウヤとジンはもう一戦殺し合いをしそうな雰囲気を放っているのを皆は見て見ぬフリをしている。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板