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MAGIC MASTER

21竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2011/08/13(土) 01:03:36 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp
第8話「ホーム」

「ちゅかれたぁー……もぉー、歩けません。つーワケでコウヤくんおねがーい」
 カンナは目をかあんり細め、疲れきった表情で前を歩いているコウヤに言う。
 ぺたっと地面にへばりついて動きそうにないカンナを見もせずに、コウヤはすたすたと歩いていく。
「ああんっ!酷すぎるー!パートナーが歩けないって言ってるのに無視だなんてー!」
 カンナは距離が開きすぎないうちにコウヤの腕にしがみつき構って欲しいですオーラを蔓延させる。
 コウヤは心の底から疲れきった表情で溜息をつく。
「知るか。歩けないなら体力回復するまでへばってろ」
 コウヤの意地悪ー、という言葉が飛んでくるがこんな言葉でキレることも、ましてわざわざ相手にするコウヤではない。
 いつものことのようにコウヤはすたすたと歩いていく。
 歩幅が大きいためかカンナはやや駆け足でコウヤの横を歩きながら、
「とか言って、いっつも行き先教えてくれないんだもん。次は何処に行くのさ」
 ぶー、と頬を膨らませてカンナはコウヤに問いかける。
「ああ、友達に会いに行く」
 その言葉にカンナは固まる。
 最近『友達』というワードでアブナイ事があったような。
 変なコレクションを持っている変人だったり。敵視する『ミストスモーク』に所属していたり。身体が突然大きな昆虫になったり。
 カンナはそれらのことを全て思い出して、
「あのぅ、つかぬことをお尋ねいたしますが、そのオトモダチはフツーなのでありますでござりますのでしょうか」
 何だその言い方、とコウヤは溜息をつく
 コウヤは歩きながら、
「まず『ミストスモーク』には加担してねぇだろうよ。そんな奴らの下につくような奴らじゃねぇし。変人は変人だが、あんなコレクションしてねぇ」
 コウヤは言いながらある建物の前で足を止める。
 そこは酒場のような場所で屋根に取り付けらている看板には『クライシス』と書かれている。
「……ここは…?」
「魔法使いしか入ることの許されない魔法使い専用の酒場…ってのは名ばかりで、中ではここの免許を持った魔法使い達が家族の用に暮らしているホーム。それが『クライシス』だ」
 コウヤはドアを開け放つ。
 中にいる人数は五十人前後で肩を組んで酒を呑んでいる中年男性や、女同士で楽しそうに会話をしている女性達、何かについて熱く論議している男と女の小グループなど、していることは人それぞれだ。
「……すごい……。これ、全部魔法使いなの…?」
 コウヤはフッと笑みを浮かべて、
「ああ。帰って来たぜ、ホームにな」


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