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MAGIC MASTER

20竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2011/08/07(日) 02:08:46 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp

 コウヤは刀の柄を両手で握り締め、相手がどう出るか窺っている。コウヤのたたずまいにはどこか余裕さえも感じさせる。
 その余裕が鼻についたのかギルは、
「気ニ食ワナイナ…!オ前ノ、ソウイウ性格ガ気ニ食ワナイ!!」
 ギルは巨大な足を振り上げてコウヤへと振り下ろすが、コウヤが動いたと思った時には既にコウヤはギルの背後に立っていた。
 コウヤはゆっくりと刀を鞘に納めながら、
「………お前の攻撃は……俺には届かねぇよ」
 刀を鞘に納めていくと、ようやく斬られたことに気付いたギルの身体が引き裂かれていく。
「……ヤッパリ…天才ダ、ナ……オ前………!!」
 チン、と刀を完全に鞘にしまうと、真っ二つにされ、血しぶきが舞い、ギルの二つに分かれた胴体のみが残った。
 コウヤは振り返って友の亡骸を見る。
 人間としての友ではなく、虫となって変わり果てた友の姿を。
「……天才、か」
 コウヤはギルの部屋を適当にあさって、頭蓋骨の置物を手に取る。
 それを懐にしまい、ドアへと手をかけ呟くように告げる。
「んな言葉、犬にでも食わせとけってんだ」
 ドアを閉めて、辺りを見回すが先に外へ出したカンナが見当たらない。
 コウヤは溜息をついて、雪が降りつむ中、
「何処行ったんだ、アイツ……」
「こっちだよ、こっちー!」
 後ろから声がしたので、振り返ると、

 パァン!!とコウヤの顔に雪玉が直撃する。

「にゃははははは!当たった、当たった!イェーイ!」
 コウヤはコートの袖で濡れた顔を拭きながら、
「カンナ、足元見てみろ」
 ほえ?といわれたとおりに足元を見るカンナ。
 そこには頭蓋骨の置物が。
「きゃああああああああああっ!?」
 カンナが叫ぶと横っ腹にコウヤの蹴りがヒットする。
「…っつ…何すんのよ!?」
「こっちの台詞だ!!」
 再び喧嘩しそうになる二人。
 そんな空気を払拭するためにカンナは、
「……もう終わったの?」
「……ああ、終わったよ。アイツは用事で行っちまったけどな」
 そっか、とカンナは返す。
 コウヤの顔には僅かに悲しさが表れていた。
「…行こうぜ」
 フッと笑みを浮かべてコウヤはカンナに促す。
「あいあいさー!」
 とカンナも元気よく返事をして彼についていく。
 その光景を木の影から見ていた、白い髪を持つ眼鏡をかけた女性は、
「はい。どうやらギルは勧誘に失敗したようです。では当初の予定通りプランAからそのままCを遂行します。全ては『ミストスモーク』のため」
 不穏な影が二人に迫るのに、そう時間はかからなかった。


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