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MAGIC MASTER
2
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2011/06/24(金) 22:35:49 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp
第1話「氷の女帝 カンナ」
魔法が使えたら何をする?
大金持ちになる。願い事を叶える。背を大きくする。など、思い描くことは人それぞれだろう。
だが、私達が使う魔法は、そんなメルヘンチックなものじゃない。
私達は魔法を駆使し、戦う。
これは、そんな魔法使い達の戦いの物語―――。
ストーバ村。
村、というよりは、集落に近いところだ。
家がいくつか建ってあり、露店のようなものが並んでいる。
しかし、それはいつもの平穏な姿であり、今はそんな平穏とはかけ離れた光景が広がっていた。
「オイ、とっとと食いモン出しやがれ!」
暴れているのは、悪さで有名な盗賊『グリード』。
魔法は使えないものの、武器や力を利用し、小さい村や弱い者達を襲い、物を強奪していく、そういう集団だ。
そんな荒れた集落に、一人の人物が現れる。
「ちょっと待ちなさい。そんな暴挙、私の前で出来るとは思わないことね」
彼らが振り向いた先にいたのは、肩くらいまでの桃色の髪に、頭の左辺りに、朱色の小さい玉が三つに連なる髪飾りをしている17、8の少女だ。
そんな彼女を前に、一人の盗賊が近づいて行く。
「ハッ。何を言ってんだオマエは?いいからガキはとっとと帰って・・・・・・」
「・・・・・・ガキ、ですって?」
少女の僅かな怒りが籠った声の後に、ズドン!!と鈍い音が響く。
その音源は少女の拳が、男の腹に叩き込まれた音だった。しかもただの拳ではなく、硬く頑丈な氷を纏った、氷の鎧での一撃と同義だった。
「な、なんだお前は!オイ、囲め!」
一人の少女は十数人の盗賊に囲まれる。
じりじり、と囲んだ盗賊は近づいていくが、中々攻撃には移らない。
「へへっ、どうだ。この数なら勝てねぇだろ。マグレで調子に乗ってんじゃねぇぞ、クソガキが!」
一人だけ囲んでいない口の周りに髭を生やした男達のリーダー的な奴は殊勝な表情だった。
少女は相手の言葉を聞いて、俯いてしまう。
「・・・・・・く・・・くそがき・・・・・・。『がき』ならまだしも、『くそ』がついてる・・・・・・」
どうやら、状況よりも相手のちょっとした罵声に傷ついたらしい。
その状態に一人の男が『今だ!』と言って、四、五人が相手に襲い掛かる。
少女の怒りは、襲い掛かってきた相手だけに留まらず、囲んでいる相手全てに降りかかる。
「誰が・・・クソガキだぁぁ!!」
バン!!と少女が地面に手をつけると、彼女を中心とした円が描かれ、その円の縁から氷の牙が盗賊たちに向かって突き出る。
牙というほど鋭利になっていないのは、彼女の配慮だろうか。
リーダー的な男以外は全て倒れ、残った男は腰を抜かし、少女を恐れ多いように見つめる。
ゆっくり近づいてくる少女に、男は口を開く。
「・・・・・・ま、まさか、アンタは・・・!桃色の髪に、朱の連なった三つの玉の髪飾り・・・・・・氷の女帝(こおりのじょてい)、カンナ・・・!」
カンナ、と呼ばれた少女は拳を握り締め、相手を思い切り睨みつけ、
「そのあだ名・・・・・・私嫌いなのよ!!」
ゴッ!!と拳が相手の顔にクリーンヒットし、男はその場に倒れこむ。
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