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MAGIC MASTER
18
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2011/08/05(金) 18:22:00 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp
カンナとコウヤはギルの言葉に顔を顰めていた。
コウヤの友がいる組織はこれから進路の妨げとなるような組織で間違ってカンナ達が加担するような組織じゃない。
二人は息を呑む。緊迫の沈黙が部屋一体を包み込む。
その沈黙を破ったのは、コウヤだ。
「馬鹿か。俺が何の組織にも属さねぇって言ったのを忘れたか?」
コウヤはこの場に置いても冷静だ。一瞬の焦りはあったものの、すぐに冷静を取り戻す。
足を組みなおし、再びギルに問いかける。
「無論、覚えているが。これはお前のためにも言っている。お前はある女の子のために欲しいのだろう?あの石が」
ギルの言葉にコウヤの眉が僅かに動く。
それ以上は言うな、とコウヤは目でギルに釘を刺す。
(………ある、女の子…?)
カンナはギルの言葉に首を傾げていたが、それ以上の追求はなかったため、カンナもとりあえず気にしないことにする。
コウヤはスクッと立ち上がって、
「行くぞ、カンナ」
「えぇ!?でも……」
「いいから」
コウヤは座っているカンナに早く立つよう促す。
ギルは不愉快とでも言いたげに、顔を顰めて、
「待て。まだ終わっていないんだが」
「終わったよ」
ギルの言葉にコウヤは即答する。
コウヤはギルの方を向いて、
「俺はこいつと一緒に探すさ。いい相棒が出来ちまったモンでね」
コウヤは対して気にもせずにカンナの頭に手を置き、自分の方へと引き寄せる。しかし、抱きしめられたような状態になったカンナはコウヤの身体へ顔をうずめて顔を真っ赤にしながら『コウヤの馬鹿』と呟いている。
ギルは睨むようにコウヤを見た後、
「そうか。ならば、その女が消えれば…お前は組織に入るんだな」
カンナとコウヤは眉をひそめ、しばらくギルを見つめていた。
突如、ギルの身体に異変が起こる。
「……ぉ、ごァ………うグ、ぐあああァ……ごォォあああああああああああああああ!!」
強烈なギルの叫びと共にギルの背中から漆黒の翼が生え、身体が巨大化し、瞬く間に姿を変えていく。
「……ふぁ……」
「何だよ……これ」
カンナは僅かに怯えたような声を、コウヤは冷静ながらも顔には焦りの色が見えていた。
何故なら、彼らの前にいたのは人の姿をしたギルではなく、巨大な一体の虫と化したギルが君臨していたからだ。
「カンナ!!貴様ヲ殺ス!!」
強力な戦力となるコウヤを引き入れるため、ギルの攻撃の矛先はコウヤではなく、カンナへと向けれらた。
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