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MAGIC MASTER

17竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2011/07/24(日) 19:28:44 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp
第6話「ミストスモーク」

 とりあえず家主が帰ってきたので、カンナ達は居間へと移動した。カンナはコウヤの隣、ギルはコウヤと向かい合うようにソファに座っている。
 コウヤは何度か来たことがあるのか、落ち着いているが、カンナはあちこちに置いてある頭蓋骨や、恐竜の腕のような物にビクビクと怯えていた。
 ギルは怯えているカンナに気付いたのか、
「いやぁ、すまないね。初めての人には少々刺激が……レプリカだから気にしなくていいのだが」
 出来るか、とカンナは心の中で叫ぶ。
 隠されているのならまだしも当然のようにこんなに置かれては逆に気にしないと失礼な気がしてしまう。カンナは『オカルト』『下衆』『変態』が嫌いで真ん中以外は全て該当しているギルは、カンナにとってA級戦犯のようなものだ。
 コウヤはあちこちを見回して、呆れたように溜息をつく。
「また増えたか?相変わらず気持ち悪いな」
「オカルトは底が尽きないのだが。これ程興味深い物に執心するな、という方が僕にとっては無理なのだが」
 そうかよ、とコウヤは適当に頷いておく。
 ギルは口の端に笑みを浮かべながら、
「ところで、僕のオカルト談義はいいとして、お前はまだ例の石を捜索中か」
「まあな。何でも願いを叶えられるっつーモンに執心するなってのが無理だろ」
 確かに、とギルは小さく頷く。
 コウヤは『光る原石(ホーリーストーン)』のことをギルに話しているということはある程度相手のことを信頼しているのだろうか、とカンナは適当に推測する。
「ところで、さっきから気になっていたのだが、そこの娘はコウヤの彼女?」
「……ッ!?なっ……違………ッ!」
「ああ、そうだ」
 カンナは顔を真っ赤にして否定しようとしたが、そんなことを言われると思っていなかったため、呂律が上手く回らずコウヤに先に言われてしまった。しかも嘘を。
「ちょ……、コウヤ!!」
「別にいいだろ。適当に合わせとけ」
 コウヤの馬鹿、と顔を真っ赤にして俯いてしまうカンナだが、コウヤは全く気にしていない。
 ギルはふーん、と適当に相槌を打っていた。
「そうだ。例の石を探してるお前にグッドニュースだ。僕もその石を見ることに興味が出てきてね。見つけることを手伝ってあげるよ」
「アホか」
 ギルの言葉にコウヤは鋭い口調でそう返す。
「お前、魔法はほとんど使えないし、使えたとしてもヘボ魔法じゃねぇか。そんな奴に手伝わせれるか」
「手伝うのは僕じゃない」
 ギルは真っ直ぐにコウヤを見つめて、
「手伝うのはある組織さ」
 組織。
 『光る原石(ホーリーストーン)』を手に入れるために手伝ってくれる組織。
 カンナとコウヤには心当たりがあった。
 そう、シルベットの小屋で情報を貰った時に聞いた、あの組織だ。
「……ギル、その組織って…」
「『ミストスモーク』」
 その組織名にカンナとコウヤは目を大きく目を見開く。
「僕はその組織の下部隊員。今は勧誘に徹している」
「ギル……お前……」
「コウヤ。お前ほどの魔法使いが入れば組織の拡大が望める。さあ、僕と一緒に来るんだ」


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