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MAGIC MASTER

16竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2011/07/17(日) 10:55:56 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp

「ここだ」
 カンナとコウヤがついた場所は少し古びた印象のある小屋だった。大きさはそれほど大きくないものの、人が一人で暮らすには充分だろうと思える。
 カンナは楽しそうに笑みを浮かべ、ドアの前に立って大きく息を吸い、

 中にいるであろう相手に叫ばずに、コンコンと二回ノックをした。

 予想外の行動にコウヤはずっこけそうになる。
「ちょっと待て!何でノックする前に息吸ったんだ?深呼吸必要なかったろ!?」
 あまりの馬鹿馬鹿しさにツッコむのも馬鹿馬鹿しいが、コウヤはカンナにそう叫ぶ。
 カンナはへ?と僅かに肩を揺らして、いきなり叫ばれたことに僅かに驚いていた。
「だ、だって、知らない人の家だよ?深呼吸というか……呼吸を整える、というか…」
 大して荒れてもないのにか、とコウヤはカンナにツッコミを入れていく。
 コウヤはこんなカンナをバカだと思うが、些細なことで叫んでしまう自分もバカだ、と気付くまでには至っていない。
 そんなバカコンビは、ノックしても前でこんなに騒いでも全く中から人が出てくる様子がない小屋へと視線を戻す。
「……留守かな?寝てるとか」
「人呼び出しといてか?随分と自分勝手だな……」
 コウヤは何気なくドアのノブを手で掴み、回す。すると、ギィ、と小さな音を立てて、ドアが開いた。
「開いてる!」
 無用心だな、とコウヤは心の中で呟き部屋へと入る。
 部屋の中は真っ暗でドアを開けたときに差し込む光でさえも大して中を照らしてはくれなかった。
 コウヤは慎重に中を歩いていると、唐突に、
「ふにゃっ!?」
 と聞き慣れた女の短い悲鳴の後に、ドタッと倒れる音がした。
 コウヤは溜息をついて、
「何してんだよ、カンナ」
「……いや、何かにつまずいて……電気は?」
「今探してる」
 するとドアが開き、急に部屋の電気が点き、部屋の中が照らされる。
 カンナは自分の足元に目をやっていたため、電気が点いた時に自分のつまずいた物が真っ先に目に入った。
「……ひ、」
 カンナは自分がつまずいた物を見て、涙目になる。
 そこにあったのは、

 人間の頭蓋骨だった。

「きゃああああああああああああああああ!!」
 カンナは大きな悲鳴を上げて、コウヤへとしがみつく。
 コウヤはそんなカンナに僅かに驚きつつも、ドアの方へと視線を向ける。
「……相変わらずだな。ったく、勝手にお邪魔させてもらったぜ、ギル」
 ドアの方に立っていたのは、漆黒の衣装に身を包み、左目が黒髪で隠れている、コウヤと同じくらいの背丈の男。
「電気、ドア入ってすぐの右手の壁にあるんだが」
 ギルと呼ばれた彼はそれを示すかのように、電気のスイッチに手を当てたままだった。


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