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MAGIC MASTER
11
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2011/07/01(金) 18:56:19 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp
第3話「情報屋シルベット」
情報屋シルベットは身動きが取れずにいた。
周りは、自分を攫った盗賊の奴ら。『自分を守っている』より『監視されている』と言われたほうが頷ける人数だった。シルベットは両腕を後ろに回され、手首を縄で縛られている。逃げようにも敵が多くて、逃げ切る道が見当たらない。
シルベットが顔を顰めていると、一人の男が話しかけてきた。
「よぉ〜お、シルベットちゃぁん」
吐き気がするほどの気持ちの悪い声だ、とシルベットは思う。
声をかけたのは、強面でガタイのいい男だった。この男だけ周りの奴らと服装が違う。この男は鎧を着ているが、他の者は着ていない。恐らくこいつがリーダーだろう。
「……あなたが『ラース』んpリーダーですか。噂はかねがね……。で、私をどうする気ですか?拷問でもして情報を聞きだすおつもりですか?はは、やめといた方がいいですよ」
乾いた笑みを浮かべながらシルベットは言葉を紡ぎだす。
男は何?と眉をひそめる。
「別に殺してくださってもかまいません。でも、その時、貴方達が欲している情報は永遠に手に入れられません。情報は全て私の頭の中にあるんですから。殺してしまったら……そこで終わりです」
男はこめかみに青筋を立てる。
怒ったか、ぐらいにしかシルベットは思わなかった。
男は手近にあった斧を掴み、
「いいぜぇ〜。だったら……ここで殺しても同じだってことだ」
「どうぞご自由に。こんな職業始めた時から、こーゆーことになるのは大体予想できてましたよ」
シルベットは観念したような虚ろな瞳をしながら、顔を俯かせる。
男が斧を思い切り振り下ろそうとした瞬間、
「おっとぉ、その子殺されちゃあまずいなぁ〜」
一人の少女の声と共に、二人の男がドサドサ、と控えていた盗賊たちの前に差し出される。
「お、オイ!あの二人、シルベットの小屋の捜索に向かわせた奴らじゃ……!」
一人の盗賊がうろたえだす。
「その通りだ。せめて、三人くらいは割いとくべきだったな」
「いやぁ、我等がいると予測できなかったのであろう。予測されていたとしたら、何か怖いし」
続けて二人の男の声。
盗賊たちの前に現れたのは、『氷の女帝』と『漆黒の皇子』と『神剣』という二つ名を持つ魔法使い三人だった。
盗賊たちは絶句する。
顔を知ってるわけでも、名前を知っているわけでも、二つ名を知っているわけでもない。ただ、純粋な直感で、三人の放つオーラに気圧されたのだ。
みられているだけで、腰が抜けそうな脅迫的なオーラに。
「悪いけど情報屋をこっちに渡してもらおうか。なあに、俺らはお前らみてぇな盗賊じゃねぇ。ただ、情報がほしいだけだ」
コウヤの二ィ、という笑みがさらに盗賊たちをうろたえさせ、動揺させる。
リーダーの男は声を荒げ、
「ええい、とっととやってしまえ!人海戦術に負けぬ人間などおらん!!」
我等の数は150だ!と男が怒鳴り、150の盗賊たちがカンナたち三人を取り囲む。
カンナたち三人は背中を合わせるように周りの男達を見る
「あーあー。囲まれちゃったじゃないのー」
ぶー、とむくれコウヤとヴラドにカンナは抗議の声をもらす。
「黙れ。囲まれるのが嫌ならとっとと殴り込めばよかったじゃねーか」
「はははっ!ホントに二人は仲が良いなぁ」
どういう解釈だ、とコウヤが溜息をつき、盗賊たちを睨む。
「……150か。大した数じゃねーな」
「実力が伴ってないなら楽勝だしね」
「カンナ殿、150÷3はいくつだっけか」
50だ、とコウヤが短く答えると三人は戦う体制をとる。
「一人当たり50人討伐がノルマだ。一人でも少なかった奴は罰ゲームな」
「あんらぁ怖ぁい」
「一体何をさせられるのやら」
圧倒的な数を前に。カンナたちは全く恐れていなかった。
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