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その手は、

6そらいろ ◆c3uu/mE0SQ:2011/07/26(火) 13:40:37 HOST:i60-46-133-223.s02.a033.ap.plala.or.jp
 

 . 最初から、 .

「あのさ、」
「あー、ちょっと待って」

目の前の彼の気持ちはもう私にはない。それはずっと前から。もともと女癖があった人だけど、一途なのは一途だった。
彼女がいたって、他の女の子と遊んだりはしてたけど、それでも本気と遊びのけじめはつけてくれてた。

「まじかよー…まあ、すぐそっち行くわ。うん、うん、はいはい分かった。んじゃね、うん」
「…行くの?」

私がそう聞くと彼はわずかに目を逸らしてああ、と頷く。…なんで目逸らすの。
悪いと思ってるなら、もう少し私の傍にいてよ。

「……じゃ、」

そう言って彼は私の横を通り、行ってしまおうとする。私は今までの感情がいっきに溢れ出し、思わず彼の服の裾を掴んでしまった。

「……何?」
「…もう少し、だけ、一緒に…」
「………」
「…そしたら、行っても…いいから…」

そんな言葉に彼は驚いたような表情を浮かべる。そして、近くのベンチへと腰を下ろした。
…なんで。そんなに優しいの…いっそのこと、ばっさりと言ってほしい。引き止めても、あなたはどこかへ行ってしまうほど。
そうなれば…私も諦めて別れようと思うのに。でももう駄目だ。きっともとには戻らない。
彼から別れ話は切り出してくれない。…私が言うしか、ないじゃない。

「…なんで?」
「何が?」
「…なんで私と一緒にいてくれるの?」
「お前が一緒にいたいって…」
「…私のことなんかどうでもいいのに?」
「…は、」
「ずっと気付いてたよ。段々、私のことなんかどうでもよくなってるってこと」

胸が熱い。苦しい。
でも、言わなきゃ。チャンスは今しかない。

「…、何の話だよっ」
「それでも私は、諦めきれなくて、あなたの隣にいたがってた。でも…やっぱり駄目だね。もう、あの頃みたいには…」

ああ、なんて馬鹿なんだろう。
こんなところで泣いちゃったら…また彼は優しくなってしまう。

「…俺はずっとそばに――」
「いいの、もう…いいの。無理しないで。他にできたんでしょ?好きな人」

笑わなきゃ。大丈夫。私なら、笑える。

「…大好きだったよ。今でも、大好き。でも…あの頃とは違うみたいっ」
「………、」

私ははあ、と大きく息を吐き涙でぐしゃぐしゃになりながらも、笑顔を見せた。
そして――…



「 さよなら。幸せにしてあげてね 」
(とても大好きでした、)(貴方を好きになったこと、)(後悔なんてしてないよ)









…ども、お久しぶりです。そらいろです。前回の投稿から約三週間経ってますねはい。
ちゃんと生きてますよ、そらいろは((
えとえと、今回は悲しい恋的な感じにしました。ずっとほわほわしてるようなのばっかりだったんで(嘘つきな笑顔>>2以外)、結ばれない恋もいいかな、と。
なんかよく分からない感じで終わっちゃったんですけど、女の子は勇気を出して別れを切り出して終わった感じです…よね?((なぜに聞く←
男の子は男の子で悩んでたんだと思われる・ω・`
…次は、男の目線で書いてみようかな。

とういうわけで、今回も読んでくれた方は本当にありがとうございました!
次はこれの男目線での小説でお会いしましょうぞ((決定!?←





 . 最初から、 . fin


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