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「それでも君を愛していた」

6 ◆YLdWB0/d2s:2011/05/13(金) 00:16:01 HOST:p5190-ipad11okayamaima.okayama.ocn.ne.jp
そう話していると、奥から大勢、図書館の見物であろう人が来た。

「創! ちょっと」 「な、何?」
亜樹は急いでその場を離れた。 それも真剣な顔をしながら。人ごみから逃げるように。
「なんだよ? どうしたの?」
「・・・なんでもない 1人がいいっていったじゃん」
「いや・・今2人じゃん。 僕、これから、本を、読んで、家、帰るから!わかった?! 1人がいいなら1人でいろよ」
「わかったよ・・・ 創のバカ!」

だだっと、亜樹は小走りで人を避けるように図書館を出て行った。 何だろう。不思議だ。 そこまで変な子じゃないし、といってもついてきたのは変だが、
なかなか可愛い感じだったし。 なぜ人ごみを避けるのか創はわからなかった。

「おい、美晴! いたよ例の子」
創は耳を傾けた。
「えー、どこどこ? 見えなかったよ私ぃ」
「さっき、俺らきたらドカドカ逃げてったよ。 さすがだなぁ」

なんだろう。どう聞いても亜樹の事だろう。何かあるのか、と創は本を読むふりをして聞いていた。
「宗ちゃん、あの子本当に対人恐怖症なんだね。初めて見たよ私。本当に人を避けてるって感じ」
なんだよ、それ。対人恐怖症って。僕には普通に話してたよ? そんなわけあるか。
「マジだよ美晴、俺さ、あの子可愛かったから入学式前に廊下でばったりいてアドレス聞いたらすっげぇ剣幕して怒ってよ。
俺マジでキレそうになったよ。なんでそこまで怒るんだって。 俺のプライドずたずただしよ、周りには恥ずかしい目で見られるしよ」
「後付けてやったんだよ。そしたらそいつ、人のいないとこばっか移動してて超笑ったよ! 人が誰かいたらプイッってよけるんだよ」
創は我慢の限界だった。亜樹はそんな事ない。現に最初に声をかけた時でも普通に話してた。それが本当なら僕のことだって怒ったり無視したはずだ。
「ねぇ、ちょっと、いいかな?」 

創は男の前でしゃべった。

「さっきの、子の話、もうちょっと聞いていい?」
「お前、誰? 1年?」 「そうだけど」 「お前いたか? 全然お前見なかったぞ」
「抜けてたからね 入学式なんて。 それで、その子と一緒に図書館に来たんだ。さっきから聞いてるとその子、変だったから。 僕と一緒にいたから対人恐怖症なんかじゃないんじゃない?」
「お前、全部聞いてたの? マジなんだよお前。 まぁいいよ教えてやるよ」

「あいつ、変人なんだよ。病気なのか知らねぇけど。 すぐに怒る病気。だから変人女って有名になってる。 俺もキレられてよ、頭きてたんだ。噂で聞いた話だけどな」


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