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恋敵アリス

7ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/05/11(水) 17:33:12 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

     Rino side



「俺、りのちゃんのことが好きなんだ。もし良ければ付き合ってください。」

 優君の驚きの告白に、私の頬は桜色に染まった。そんな私の頭を、優君がまるで落ち着いて、と言うように優しく撫でてくれた。触られるところ一つ一つがじんわりと暖かくなっていく。正直優君なら私を大切にしてくれそうだし、付き合ってもいいかもって思った。小さく頷こうとしたその時、バン!、と勢い良く屋上のドアを開ける音が聞こえた。

「……桜ちゃん!」

 桜ちゃんが思いっ切り走ったのか、息を切らしている。そんな桜ちゃんの名前を呼ぶと、またドアが開いて、次は蓮君が息を切らしながらきた。

「……? 二人とも、どうしたの……?」

 膨らむ疑問の中、優君と蓮君が二人で私の前に立った。まるで、私を守るように。そんな二人の目線は桜ちゃん。蓮君は強く睨んで、優君もいつもより怖い顔をしている。やっと二人が口を開き、少し低い声でハモりながら話した。

「「りのに何かしたら許さないから。」」

 その言葉に、どきんと胸が揺れる。でも、桜ちゃんが私に何かするとは思えないし、悪い雰囲気もない。と、思ったその瞬間、桜ちゃんが蓮君と優君に不意打ちで、ある薬をのませようとした。勿論、二人ともそう簡単にはのまないけれど。

「……ふうん、のんでくれないんだ。のんでくれないんなら、りのに手、出しちゃおっかな。」

 桜ちゃんの右手にはよく切れそうなカッターがあった。それを見た瞬間、私も蓮君も優君も、一斉に青ざめた。そして、桜ちゃんの左手には薬がある。その薬を、蓮君と優君が取ろうとしたその時!


「ダメッ!」


 街いっぱいに響き渡るような大きな声で私は叫んだ。皆、目を丸くして私を見る。けれど、桜ちゃんはすぐに話し始めた。

「そう、じゃー……りのはどうなってもいいってことね? 可哀想に、二人の王子様が助けてくれようとしているのに。……まあいいわ、どちらにせよ二人は邪魔だから、一旦眠ってもらうわよ。」

 そっとのまされた薬。二人とも、何も抵抗はしなかった。何故?、と思うと、私の首にいつのまにか、カッターがあたっている。怖くて逃げたくて、しょうがなかった。


「あんな女の子に、アリスを殺せるわけないのに。それより、そろそろあたしも出番かなっ」



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