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恋敵アリス

2ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/05/08(日) 19:42:41 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

     Rino side



「おはようっ!」

 にこにこと笑顔で手を振りながら挨拶をした私は恋花りの(こはな りの)。そして、手を振った相手は友達の桃音桜(ももね さくら)。

「おはよー!」

 桜ちゃんも挨拶を交わしてくれたけど、その目線は片思い中の藤堂蓮(とうどうれん)の方にあった。蓮君は人気者だけど俺様系で、私はちょっぴり苦手。だけど、そこが女子にとって萌えポイントなのかな。みんなキャーキャー騒いでる。

「………かっこいいよね、蓮君。」

 桜ちゃんが蓮君を見つめ10分、やっと口が開いたと思ったらお決まりの言葉。つまんないなあ、なんて溜め息を吐くと、急に校庭に人が集まるものだから、人混みに流されて校内まで入ってしまった。


 因みに此処は清水高等学校。私と桜ちゃんと蓮君は一年生で、クラスは三人ともAクラスなんだ。だから蓮君と一度は話したことがある。……というより、毎日話している。

「りの! 見てみ、外。もう月出てるぜー!」

 無邪気な笑顔でそう言って、私の腕を男の子らしい大きな手で窓際の蓮君の席まで引っ張る。そして蓮君の椅子にストンと座らせれば、窓の外を指差して月のある場所を教えてくれた。

「……わあっ、きれー! 満月だよっ、蓮君!」

 私もかなり素直だなあって、改めて実感した今、誰かからの視線にも気づかずにいた。



     Sakura side



 折角ゆっくりと蓮君を見ていたのに、人混みに流されてしまった。気づけばりのも、もういなくなっている。今日は諦めて教室に行こう、教室でも蓮君は見れるし。


「(あれ……蓮君がりのの腕引っ張ってる。仲良さそうだなあ……。)」

 りの、私が蓮君のこと好きって知ってるくせに。むっと顔を歪ませて見ていれば、蓮君がさりげなくりのを見て頬を桃色に染めていた。もしかして、蓮君はりののこと………。

「(なーんて、そんなことあるわけないよね。りのは所詮お子様だもん。蓮君が相手にする筈ないよ。)」

「ねえ、むかつくよねー。りのちゃん! 前あたしの友達が蓮君に告ったんだけどさー、蓮君「好きな人いるから。」って振ったんだってー! で、友達は誰か聞いたんだよー! そしたら、「恋花りの。」って言ったんだよ! あんな餓鬼のどこがいいのかなー!」

 所詮お子様って馬鹿にしてみたけど、廊下を通り掛かっている女の子達の話を聞いて、よーく分かった。蓮君はりのが好きだって。でも、私が告れば付き合ってくれるんじゃない?


     この時に、さっぱり蓮君を諦めていれば良かったのに。


「またアリスに惚れてる子がいるっ! それに、その子超イケメンじゃんっ! モテそうだし、もしかしたらアリス、ヤバイんじゃない?」



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