したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

Purincess*

7ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/04/23(土) 20:48:13 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

     * ゆり *


「うわあっ、痛そう……! フリルったら、関係無い人まで巻き込んでー……次会ったときは絶対倒してやるんだから!」

 ちょっぴりお喋りな可愛らしい印象の女の子が幼い顔を歪ませてわたしの怪我を見詰める。フリルと知り合いなのか、怒った様子も見せながら呟いていた。男の子はどうでもよさそうな感じで座り込んでいたわたしを見下ろす。第一印象はむかつく、かな。

「つーかこれ、どーすんだよ? 先生呼ぶっつっても俺ら生徒じゃないぜ?」

 やっと口を開いた男の子からはイラつきが感じられる厳しい言葉。やっぱりわたし一人で保健室に行ったほうが早いかな。なんて考えていると、運良く同じクラスの人が通りかかった。

「あら、月花さんじゃない。そんな怪我して、何してるの? 教室で男子や女子に騒がれてるわよ。」

「げっ……!」

 クラスの人がいて良かったものの、まさか自己中で大嫌いな姫沢りあだったなんて。最悪、コイツになんか助けられたくない。と、考えていると、男の子がりあに声を掛けた。

「あんた、この人と知り合いなら保健の先生呼んできてやって。」

 え……この男子正気かな。わたしが嫌がってんの分かんない?! ……まあいいわ、りあも男子にときめいてるみたいだし。

「え、ええ! ぜひ! 待っててね、ゆりちゃんっ!」

 ゆりちゃん……人にゆりちゃんだなんて呼ばれるの、久し振り。ずっと月花とか月花さんとかゆりだったからなあ。いや、でもゆりの場合はぶりっ子か。


     * * *


 暫くすると、りあが保健の先生を連れてきてくれた。が、歩けないわたしは男の子(後からリリーちゃんに聞いたけど那月っていうらしい。)におぶってもらうことになった。何だろう、嫌すぎる。

「………お前軽……飯食ってんの?」

 意外の一言にきゅんと胸がときめいた気がしたけど、気のせいだよね。というか那月からしたら嫌味なんじゃないのか。なんてことを考えていると、保健室なんてあっという間だった。そういえば、ずっとりあからの視線を感じてたな。睨まれてるような……あ、もしかして嫉妬だ! 結構可愛いところあんじゃん。

「……り、ゆり! ぼーっとしてないで、怪我の手当てするぞ。」

「えっ……きゃっ?!」

ドンッ!

 ぼーっとりあのこと考えてたら、手当てするってことを忘れていたわたしに声を掛けた那月。そしてわたしが後ろに片寄りすぎて那月が後ろに倒ればったん! なのに、痛くない……?

「っ……いっ………!」

 那月を見事踏み潰していた、やばいっ! でも、咄嗟に庇ってくれたんだなあって、またきゅんきゅんきてる。まさか、わたしったら遊を放置して那月に恋しちゃった? って、それよりどかなきゃ……!


 急に起きたハプニングを、まさか遊が見てるとは思わなかった。


     * つづく *


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板