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Purincess*

6ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/04/22(金) 19:52:07 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

     * ゆり *


 もうわたしの身体はぼろぼろになった頃、やっとリリーちゃんが口を開いた。その表情はまるで「これ以上ゆりに手を出すな。」とでも言うような表情。そして、殺気をプンプン漂わせている。

「フリル、ゆりは関係ない。何故そこまでして倒そうとする?」

「そんなの! そのゆりとかいう子が邪魔してくるからに決まってんじゃない!」

 フリルと呼ばれる女の子も負けじと言い返す。そんな殺気の中、ぽつんとわたし一人、何だか仲間外れみたい。

「邪魔してくるからって、傷つけることないじゃないか!」

 リリーちゃんの本気なのだろうか。いくら戦ったことのないわたしでも、初めて強い殺気を感じる。殺気が痛いって、こんななのかな。とか考えてみると、フリルに指を差された。

「ゆりはリリーの仲間じゃないんでしょ? なら傷つけたって構わないじゃない!」

 何だか、胸がチクチクする言葉。今会ったばかりなのに、仲間って認められるはずないよね。わたしが暗い表情をしていると、リリーちゃんが叫んだ。

「ゆりは……ゆりは、仲間だよ!」

 吃驚した。今会ったからリリーちゃんのことをよく理解してないとはいえ、こんな一生懸命な大きい声で叫ぶなんて。流石のフリルでも驚いていると、リリーがまた口を開いた。今度はそっと静かにだ。

「ゆりは仲間。……だから、仲間のゆりに手を出したフリルは姫候補から外される。」

 何、それ……姫候補? リリーちゃんたちは姫候補なの? なんて、色々と疑問を残したままフリルは悔しそうに去って行った。慌てて起き上がろうとするけど、身体が動かない。


     * * *


「ゆり、ごめん。……今から仲間を呼ぶから待ってて。」

 悲しそうな、申し訳なさそうな表情を浮かべて目の前からパッと消えた。

「ふう……。(おかしなことがたくさんあったな。ほんの一瞬なのに……。)」

 ちょっとしたことを考えていると、すぐにリリーちゃんが戻ってきた。消えるのと同じように、パッと……。

「那月、羽月、この子。」


 リリーちゃんにそう言われやってきたのは二人の男の子と女の子だった。


     * つづく *


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