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Purincess*
26
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ねここ
◆WuiwlRRul.
:2011/05/06(金) 20:33:39 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp
* ゆり *
「先生っ! なつは……なつはっ!」
病院に着いたわたしは、やっとなつが倒れたという事実を理解したように先生に聞く。勿論、望むのは「生きている」という答えのみ。今此処で「死んでしまった」という答えを聞いたらわたしも自殺するような勢いでいた。だから、生きてて! そう願っていたのに、先生はとっても静か。きっと悪い報告なんだろうな、とは思ったけれど、それはただ「苦しいのが悪化した」ぐらいにしか思ってなかった。
「……………落ち着いて、お聞きください。那月くんは、13時46分に―――――――――――…………………
お亡くなりになられました。」
この言葉を聞いた瞬間、わたしは「ああ、死ぬんだ。」って思った。それは、なつのことじゃなくて自分のこと。どうせなら同じ時間に、一緒に死にたかったね。
さようなら、リリーちゃん。可愛くて、実はずっと憧れてたよ。さようなら、羽月ちゃん。喧嘩しても、大好きだったよ。さようなら、フリル。実は素直でいい子だったね。さようなら、りあ。自己中で嫌いだったけど、可愛いところもあったね。さようなら、スター。王子っぽくなかったよね。さようなら、ふわり姫。疑ってごめんなさい。さようなら、璃羽。璃羽にたくさん支えられたよ。さようなら、遊。これは落とし穴じゃなく、「運命」だから。
みんなみんな、大好きだよ。
先生の目の前で、ナイフをぎゅっと握り自分の胸に突き刺そうとした、そのとき!
「やめて……! 叶がいるからには、そう簡単に死なせないわ………!」
見知らぬ女の子の声とともに、一気に泣き崩れた。わたしは間違ってたんだ。なつが死んだからって、わたしが死ぬことないじゃない! わたしはわたしの人生を生きるんだ……!
「なつうっ……なつ! うわあああああああああぁぁぁああぁんっっ!」
* * *
しばらくすると、泣き崩れるわたしの前にたくさんの人が来た。遊達だ……! みんな、泣いている。突然現れた叶っていう子が口を開くのを待つように。
「……皆さん、初めまして。月夜叶という者です。今回は那月の死と聞いて慌てて来たの。……あ、叶は姫決定戦の審査員をやっていました。皆さんに質問ですが、那月を生き返らせたいですか?」
「当たり前だよ……!」
羽月ちゃんが即答して、みんなも頷いた。けどわたしだけは違かった。
「やだ……!」
すると、みんなが正気?! とでも聞くように驚いていた。当たり前だよね。でも……!
「わたしは、生き返らせた偽物みたいななつ、やだよ……! それに、なつが死ぬ覚悟をしていたのは知ってるから、こうしてみんながいるだけでなつは幸せだとおもう………!!」
「そうだね……! 那月くんは、それが一番の幸せだと思うよ。」
「無理に生き返らせても、気まずいだろうしね。」
みんな口々にわたしに賛成してくれた。初めて自分の意見を言えたような気がして、嬉しかったよ。
* つづく *
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