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Purincess*
17
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2011/04/30(土) 18:57:26 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp
* 遊 *
「………気持ちは嬉しいけど、わたし、昨日彼氏できたの。今日の朝も彼氏と会ってたんだー……ごめんね。」
ゆりはにこっと笑ってるつもりなのだろうけど、大きな瞳からは大粒の涙が零れ落ちている。初めて見た、ゆりの泣く姿。それに、昨日よりゆりは全然可愛い。でも、どれもこれも彼氏のお陰だったんだ。俺は、失恋したんだ。―――シツレンシタノ? オレトユリハ両想イナンジャナイノ? 俺はおかしくなったのかな。気持ちを抑えられなくて、ゆりにキスをした。勿論、ゆりは驚く。
「やっ………さいてー! 彼氏、できたって言ったじゃん。何か今日の遊、遊らしくない………! わたしが振ったからいけないの? わたしが遊と付き合ったら、いつもの遊に戻ってくれるの?!」
突き飛ばされた俺は無表情で頷く。そうだよ、ゆりが付き合ってくれれば俺はいつもの俺になるよ。
「ソシタラユリハ俺ヲ見テクレルンデショ?」
バシンッ!
にこおっと優しいけど気持ち悪い笑みを浮かべてゆりの頬に手を伸ばした。すると、破裂しそうなくらい痛い音で俺の頬が右へ動く。まさかのビンタをされ、ぽかーんと口を開けた。
「ばっかじゃないの?! わたしがいくら遊と付き合ったって、いくらキスしたって遊は戻らないよ! 遊が元に戻るには、遊が自分から入った深い穴からよじのぼって出てこなきゃ、黒いままだよ! こんな黒くて暗い遊嫌だよ……早く、振られたって笑顔になってよ。わたしはずっと、そんな遊に恋してたんだから! わたしが好きになった相手がこんなんじゃダメなんだから!」
目が覚めた。……俺、ばかだ。もう、穴から出てきた。引っ張ってもらったんだ、ゆりに。
「「出してくれて、ありがとう。」」
これは、ゆりに恋をした二人の男の子の言葉でした。
* つづく *
そろそろ終わると思われます←
ゆりと那月と遊と羽月の恋愛編は。
次はお姫様編かなあー……
そしてやっと完結?になるといいな。
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