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Purincess*
11
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2011/04/27(水) 17:11:58 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp
* ゆり *
「でさ、俺のことだけど。」
那月が突然ふっと無表情になり口を開く。心の準備をまだしていなかったわたしは焦りつつも、前を向いている那月の横顔をじっと見ていた。
「俺と羽月はこの世界を代表する姫に仕える……良く言えば使用人、悪く言えば奴隷って奴なんだよ。」
「奴隷」。この言葉を聞いた瞬間、何が何だか分からなくなり、ドサッと鞄を落としてしまった。体中に力が入らなくなり、そのまま地面に倒れ込む。気がつけば、目からは涙が零れていた。
「ゆり……?!」
意識が遠のく中、那月がわたしの名前を呼んでいたような気がした。表情は見えないけど、きっともの凄く困っている顔だと思う。
* * *
突然ぱちりの目が覚めた。ふかふかの、ベッドの上。不思議なくらい、安心する―――……。
「ゆり!」
ぱたぱたと足音をたて、リリーちゃんと羽月ちゃんが駆け寄ってきた。一人、大事な人がいないと思いきょろきょろと周りを見回すと、リリーちゃんが話し始める。
「那月は神の命令で呼び出されてるの……本当は姫に仕えるはずなんだけど、姫以上の人……王子とか、王とか、王妃とか、神の命令も聞いてあげてって、今の姫が。一日に何十個も依頼を受けて、毎日へとへとなの!」
リリーちゃん、フリルへ対する態度とは全く違う可愛らしい口調だなあ、なんてことは置いといて!
「何、で…………何で那月がそんな目に合わなきゃいけないの?! 羽月ちゃんと那月は同じどれ……じゃなくて使用人でしょ! 何が違うの?!」
傷が痛むのに、今出来る限りの大声で叫んだ。目からは涙が零れ落ち、それをリリーちゃんが手で受け止めるようにする。そんなわたしに、羽月ちゃんはふふっと笑って答えた。
「奴隷って言わないでくれて、ありがとう。でもね、あたしらは奴隷として生きるために育てられてきたの。昔っから奴隷になる家は決まってあたしの家と、那月の家とー……その他かな。で、それを避けることは許されないのよ。何せ、親達まで奴隷だったから、この子達にだけ楽はさせまいと思う人もいれば、楽させてあげたいけど、姫様達が怖いって思って、口出しできない人が殆ど。まあ、後がいなくなれば後継者がいなくなって王族も困るだろうから、そこまできっちり考えて親は行動してんだろうね。でも、わたしは親もマイペースだったから、結構適当に姫達への態度とか教わってて、今でも超適当なんだー。それとは正反対で那月の家っつったら厳しくてさあー……働かなかったり手抜きだったり間違ったりするとすぐ暴力! そのおかげか那月は超優秀有名な奴隷になってね、色んなところから依頼を引き受けてんの。奴隷はそーいうの断れないからさ、辛いよねえー…。」
* つづく *
セリフが長かったためちょん切りw
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