したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

ゆるり

5ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/04/07(木) 11:14:33 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

     〜 桃音 〜


 そっと上を見上げてみると、翔君の手がのんの上にのっていた。翔君は落ち着いてとでも言うように、のんの頭を撫でる。優しくて、暖かくて、だけど少し恥ずかしくて、頬をほんのりの桜色に染める。

「しょ、翔君……?」

 流石に恥ずかしくなってきたので翔君の腕をのんの両手でぎゅっと握った。すると、翔君が頬を赤く染めて照れたのがよく分かった。

「何ー、お前ら付き合ってんの? いいなー。」
「えー、翔君狙ってたのにいー!」

 また、男子から、女子からの声が飛んでくる。のんは必死に首を振って叫ぶ様に言った。

「ちっ、違うよ! 付き合ってなんかないよ!」

 あれ、こう言った瞬間、翔君が少しがっかりしたように見えたのはのんだけかな。なんてほのぼのと考えていると、教室のドアを勢い良く開けて先生が入ってきた。

「席に着いてくださいね。」

 さっき怒ってきた熱血先生じゃなくて良かったって一安心。このクラスの担任は熱血先生じゃなかったんだ。よくよく話を聞いてみると、先生の名前は高橋凛先生というらしい。高橋先生、凛先生。なんて呼ぼうかなあ。

「さて、それでは今から校長先生の話を復習しまーす!」

 え、聞いてないよー。それに小学一年生じゃあるまいし、わざわざ確認しなくてもいいじゃんか。

「それじゃあ桃音さん! 校長先生が言った一番気をつけてほしいことは何だったかなー?」

 分からないよ。大体気をつけてほしいことなんて言った? おどおどした表情で俯いていると、隣の席の純君がこそっと呟いた。

「事故、だよ。高校生になると自転車の二人乗りの事故とかが多いから……。」
「じっ、事故……です?」

 何この疑問符は、なんて先生に思われたかもしれないけど、これであってるんだよね。

「よく聞いていましたね。ずっと俯いていたから、ぼーっとしてるのかと思った。それじゃあ、どんな事故が一番多い?」

 何この質問攻め。というか俯いてたのばれてた! まあいいや、確か自転車の二人乗りの事故だよね?

「えっと……自転車の二人乗り、ですよね?」
「違うよのんちゃん、一人での自転車の事故だよ。」

 次はだーれ? というか答え、間違ってた?!


     〜 続く 〜


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板