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世界ノ終わり--君を悪だと言うのならば………--

3神奏 琉音 ◆ptZpvaYoVY:2011/04/05(火) 07:44:30 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp
「……桜紗、か」

零はポツリと呟く。家では蓮が食事当番であり、夕ご飯でも作っている頃だろう。
父親も母親もいない、シン、とし、静まり返った部屋。零は微かに目を瞑った瞬間……一粒の雫が頬を伝う。それを拭って起き上がればレコーダーのスイッチを押し、音楽を再生する。音楽の題名は“you are birthday”と書かれている。

“僕に語りかたける、一人の少女。罪は全て許されはしない。僕に語りかける一人の少年。今日が貴方の新しいbirthtday”

静かにながれる曲。残酷、とも言われるこの曲は零が一番気に入っている曲である。
 再び静まり返った部屋。一番始めに静寂を破ったのは、カチャリ、と言う音を立ててドアを開けた蓮だった。蓮は静かに首を傾げて「お兄様、どうかしたの? あ、あとご飯出来てるよ」と零は困ったように見る。しかし蓮の心配そうな顔とは裏腹に零はニコニコと笑みを浮かべて「少し、疲れただけだよ」とだけ返す。

 トントントン、と階段を降りて行く音が二十秒程度だろうか……、聞こえくる。それからはテレビの音や喋っている声、水の音、様々な音が混じり合い、また部屋に戻る零と蓮。

 蓮は眠そうな表情でベッドに横たわりながら「零兄様も……十六年たって、“限界”なのかなー……?」静かに自問自答する。蓮はクスリと小さく笑って「これからは……面白くなりそうだけどね」と微かに笑い続ける。




「……紅蓮……桜紗。まあ、宜しく」

消えそうな声で自己紹介をする少女、紅蓮 桜紗(グレン サシャ)は、薄水色の髪を紫色のリボンでサイドテールにしている。右目エメラルドグリーン、左目ライトブルーであるオッドアイの瞳。犠牲(サクリファイス)用の白いYシャツに黒いリボン、黒いミニスカートをはく、何とも美少女、としか言えない、もしくは人形のよう、と言えば良いのか。

「僕は……人間型よりもっと人間に近い」

サラリと新事実を告げる桜紗。


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