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Cata of Blackness --誘われる闇へ--
4
:
神奏 琉音
◆XuuscjqfhY
:2011/03/14(月) 16:13:49 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp
「……あのね!翠! ………翠……?」
翠に明るく声を掛ける亜理紗。しかし翠は反応せず一人何かを考えているようであり、亜理紗は奏と奏羽だろう、と考えていた。亜理紗はなるべく大きな声で「翠!!」と呼ぶ。そうすれば、翠はハッとし、亜理紗の方を見た。亜理紗はブーッと地味な効果音を自分で言いながら翠に向かって静かに「つまんない? お稽古やってた方が良かった?奏ちゃんと居た方が良かった?」と悲しそうな瞳で伝える。亜理紗を見て少し悲しそうな瞳をする翠は「亜理紗さん。 お願いです、僕の前で……奏の話をしないで下さい」と冷ややかな口調で言う。
「あ………ごめん」
「いえ……」
亜理紗はツーゥッと額から冷ややかな冷や汗が流れ落ちる。
奏と奏羽の“本当の”理由を知っているのは、ただ一人、亜理紗だけであった。翠は自分の記憶に蓋をし、羅琉音双子姉弟(奏と奏羽)は亡くなった。翠は思い出してしまえば、翠は自分自身を見失うだろう。翠だけは失いたくなかった。あの二人と、翠がいなくなってしまえば、亜理紗は一人、孤独になってしまう。
「帰ろっか……もう五時だよ」
亜理紗は腕時計を見ながらそう言う。ポケットから携帯電話を取り出し、トゥルルルルルッと言う着信音が流れれば「あ、叔母さん。もう帰ります。送って行きますね。あと翠君、疲れちゃってるみたいなんですが……」と白々しく言うが叔母は上機嫌に「ええさ。今日は塾等は休ませるわ」と言う。亜理紗は一言と言いプツリと電話を切る。
「さぁ、翠。帰ろっ!」
ニコニコとした笑みを浮かべ、少し走りながら帰って行った。
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