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Cata of Blackness --誘われる闇へ--

3神奏 琉音 ◆XuuscjqfhY:2011/03/12(土) 12:45:44 HOST:i125-202-128-142.s10.a021.ap.plala.or.jp
翠は準備をするといい教室へ帰っていく。亜理紗は下駄箱前でため息を付きながら翠を待つ。

「……良いよな、貴様は。他人の気持ちなんて考えたりしていないだろう?」

亜理紗の目の前で一人の少女と少年が現れた。少年は少女にそっくりであった。少女は白いハイライトの髪を黒いリボンでポニーテールにしており、右目薄紅色、左目薄花色のオッドアイの瞳をし、白いワイシャツに高等部用の青いリボン、黒いブレザーに白いラインを入れ、第二ボタンだけ締めている。黒いスカートには銀色のチェーンが付いてあった。少年の方は白いハイライトの髪を首辺りで一つにまとめ、腰まで伸ばしている。右目のは真っ白な包帯を、右目には真っ黒な光の宿っていない瞳。黒い瞳と言っても実際は失明しており見えていない。服装は基本的に姉である少女と一緒だが、黒いズボンをはいていることだけが違う。
一目見ただけで彼女等が一卵性の双子だと分かるだろう。亜理紗は二人をみて固まった。クラスメイトでもなく、まずここの学院の生徒ではない二人。しかし元々はこの学院の生徒。亜理紗は知っている人物だったが、この世に彼女達は存在してはいけない人物だった。

「忘れましたか? 僕達の事。そんな訳ないですよね?だって……」

「貴様が殺したのだから」

少年が喋ろうとした後少女が先に言う。亜理紗はビクッと表情が強張り、「私は……私は殺してなんかない!!何で今更私の前に現れるの!? 奏(カナデ)ちゃん、奏羽(カナウ)君!!」狂ったように叫ぶ亜理紗をザワザワと周りの生徒達が見つめる。
亜理紗は小さくうつむいた後、「もう、これ以上、私の、私達の邪魔をしないで。 それに私は殺してなんかない。貴方達は事故死よ」と呟き気味に言う。

「羅琉音 奏(ラルト カナデ)、羅琉音 叶羽(ラルト カナウ)は事故死……………そう決まったんだよ」

そう呟いた瞬間、「あの……、亜理紗……さん? …………奏羽君と、……あの、奏がどうかしましたか?」翠が心配そうな表情をして、亜理紗を見つめる。翠にとって“奏”とは聞きたくない単語だろう。
しかし、翠には見えていないのだ。奏羽は亜理紗にしか見えていなかった。 奏は嘲笑うようにクスクスと笑い叶羽で一緒にヒュッと消えてしまった。

亜理紗は作った笑顔を翠に見せ、「大丈夫だよ。 私、そんな事言ってたっけ……?」とクラクラしている頭の中から必死に言葉を絞り出した。


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