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Il record dell’incubo〜悪夢の記憶〜
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:
霧月 蓮_〆
◆REN/KP3zUk
:2012/01/05(木) 22:34:09 HOST:i114-183-46-33.s04.a001.ap.plala.or.jp
蓮は笑っていた。涙を零しながらも、ずっと笑ってた。そういえば湊、事件を起こした奴らに復讐しようって言ったとき顔を真っ青にして「勝てないからやめておこう」なんて言ったのか、なんて考えた。
その日から僕の復讐の標的は湊になっていた。蓮が精霊を出してそれを相手に刀を扱う練習をしたり、蓮自身が刀を持って練習に付き合ってくれたりした。筋がいいなって褒められたときは本当に嬉しかった。そしてやっぱりお姉様を守れるようになる、湊に復讐をしてやるんだって思うと不思議と疲れも感じないで練習に打ち込む出来た。お姉様は酷く心配そうにしていたけどね。無理だけは禁止ってでこピンされたのを覚えてる。
中等部に上がる少し前に、一般科と特殊科という区切りがなくなった。始めは様々な能力に触れることでより優秀な能力者を……って言ってたけど、特殊科第一寮の生徒を惨殺した事件で特殊科の連中は、酷く殺気立っていたよ。一般科の生徒はなぜかやたらと友好的だったけどね。それが余計に元特殊科の連中を怒らせた。
そして出来上がったのが“闇(ブイオ)”と“光(ルーチェ)”。闇は月華お姉様が率いて、一般科であった生徒達を惨殺していく。それに対抗して出来たのが湊率いる光。ちなみに特殊科の中でも復讐は意味をもたないって言うやつは光に移って行ったよ。 優希がいい例だね。
もちろん一般科の中でも闇に移ってくるやつはいた。……まぁ大抵が人殺し好きの狂った連中だったけど。そうして出来た二つの派閥はいつの間にか学校公認のものになって、制服までもがそれぞれに別のものが与えられた。……まぁ色を変えただけの単純なものだけど。
僕はもちろん闇についた。練習がてらに光の連中を的にして刀を振るって……。気づいたらそれが楽しくなっていた。逃げ惑う相手を切りつけて、悲鳴を聞いて……笑って刺して抉って……時には相手の腕を切り落として、目の前でチラつかせてみたり、わざと急所をはずして苦しめながら殺したり……。
それがとてつもない快感を僕に与えてくれていた。命乞いをする奴を踏みつけるのが好きだった、圧倒的な差を見せて潰すのが好きだった、自分が追い詰められても、最終的に相手を殺すのが楽しかった。血の色が、臭いが、滴る音が好きだった。相手があげる絶望の声が好きだった。
いつの間にか復讐という理由をかかげて殺しを楽しむようになっていた。もっと残酷に、もっと惨く、もっともっともっと……。やむことのない欲望のままに刀を振るって……。まぁもちろん昼間の間だけは、真面目で優秀な生徒を演じていたけど、教師達は当然僕の行動に気づいていただろうさ。気づいた上で止めなかったんだよ? 酷い話だね。いや、僕が言えた義理じゃないけど。
光狩りが本格的に始まってからも僕は変わらずに、どうやったら相手を最高に苦しめて殺すことが出来るのかだけを考えていた。もちろん湊に復讐するときに使う手段の研究、って言ってね。お姉様はあまり苦しませないように止めを刺してやれっていっていたけど、僕にはどうしても無理だった。散々遊んで踏みにじるのが好きだった。全てを復讐という言葉で正当化しようとしてたけど、狂気の沙汰だったろうね、きっと。復讐といいながら、関係のない他人も随分巻き込んでいたし。湊につくのは全て敵だ、とか言っちゃってね。
……僕は狂っているのでしょうか? もしそうなら狂わせたのは誰? 湊? それとも……。僕には分からない。自分が狂っているのかさえ……。
NEXT Story〜終章 嗤う悪魔〜
__________________________
ついに終章かぁ……。
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