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Il record dell’incubo〜悪夢の記憶〜
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◆REN/KP3zUk
:2012/01/04(水) 18:10:43 HOST:i114-183-46-33.s04.a001.ap.plala.or.jp
今にもなきそうな顔で刹を見上げる湊と、楽しそうに笑みを浮かべる刹。その二人をぼんやりと眺める蓮は、落ち着かないようで足を組んだり、伸ばしたりを繰り返す。そんな蓮を咎めるように刹は一瞬だけ顔を蓮に向ける。僅かに肩をすくめた後、脱いでいたフードを深くかぶり、蓮は立ち上がった。そしてしばらく湊を見つめた後、くるりと背を向けて、屋上から飛び降りた。直前に「刹、リミットは三十分だ。無駄話で時間を潰さないようにな。湊は、もし殺されずに済んだら、俺の教室に来い。ヒントをやるよ」なんていう言葉を残して。
わずかに面食らったような表情をしていた刹も、やがて聞こえてきた鳥が羽ばたくような音を聞けば、ため息をついて視線を湊へと戻した。あまり時間は無駄に出来ない、そう考えて刹は静かに息を吸い込んだ。さっさと昔話を終えて償いを……。自然と刀の柄を握る手に力がこもる。死んでいても生きている時とほど変わらないものじゃないかと刹は笑う。
「昔、聖鈴学園は闇と光という区切りではなく一般能力選抜科、特殊能力選抜科と言う区切りで分けられていました。その少年は一般能力選抜に属していながら、嫌われ者だった特殊能力選抜の六人と仲が良く、頻繁に遊んだりしていました。まぁ少年も一般能力選抜の中ではトップでしたしね。……正式名称は長いから次からは略称である一般科と特殊科って言う呼び名を使いますよ? その少年は六人の前ではいい顔をしておきながら一般科の友人の前では特殊科を、特にその中の六人を馬鹿にするような言い方をしていました。絶対に広めないと言う言葉を信じて六人が教えた、彼らの能力の粗を当時、特殊科に攻撃的な行為を仕掛けていた過激派の一般科の生徒に広めた……まぁ信じたほうも信じたほうでしょうか?」
一気にまくし立てるように言う刹と、耳を塞いで謝罪の言葉を繰り返す湊。それを見て刹は嘲笑を浮べて、湊の腹を蹴る。力なく倒れこんで咳き込む湊の足を踏みつけた。麗らかな春の日差しが幻に見えるような、そんな光景。ガタガタと身体を震わせて、必死に許しを請う湊を始めは嘲笑を浮べながら見ていた刹の表情はどんどんと冷たくなって……。
「……そしてあの日、事件が起こった。特殊科第一寮の生徒の惨殺……。覚えてるでしょう? 蓮が大暴走したあの事件……って、固有名詞出しちゃったよ。まぁいいか。あんた、桜梨さんが死んで悲しむ蓮を慰めておきながら一般科ではなんて言っていたんですっけ? “人の心を持たない化け物が何泣いてんの? 化け物は惨殺されて当然なのに”でしたっけ? まぁ桜梨さんが死んだのは蓮の暴走のせいだからその責任は問いませんが。事件を起こしたのは貴方が能力の粗を広めた過激派の連中でしたね。だから生き残った過激派の連中に仕返ししようと言ったとき、貴方は勝てないからやめろと言ったのでしょうか? お姉様は事実を知らないから貴方のことを仕返しを諦めた愚者、としか言いませんけど……。ちなみにこの情報は蓮の精霊さんが拾ってきた事実です。と言うか事実じゃなきゃそんな反応しないでしょ?」
クスリと刹が笑う。スッと湊から離れてくるりと回れば「信じてたのに。バラさないって、克服を手伝ってくれるって言ったのを信じてたから沢山、沢山能力の粗とか教えたのに。しかも貴方も特殊科に来るべき能力を持っていたんですもんね。嫌になっちゃいます」なんて言い放つ。やっと身体を起こした湊は俯いて、涙を零す。フェンスに掴まってゆっくりと立ち上がりながら湊は言葉を紡ぎ始めた。
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プロットが失踪してズタボロorz
そろそろ終焉です
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