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Il record dell’incubo〜悪夢の記憶〜
65
:
霧月 蓮_〆
◆REN/KP3zUk
:2011/10/09(日) 23:09:17 HOST:i118-21-88-153.s04.a001.ap.plala.or.jp
「やれやれ、やっと出番ね。刹、トップは頼むわよ」
紅零がため息をつきながら言う。そうすれば刹は満面の笑みを浮かべて「任せて下さい!」なんて妙に明るい声で言って胸を張った。頼もしい限りだねぇと笑う月華の言葉に少々照れ臭そうにして、スタートラインに立つ。光側のトップを確認すれば、相手は包帯のお化けこと楓だった。必死になって参加を止めようとする教師を無視しての参加である。それを確認した刹は楽勝じゃないか、なんていう風に鼻で笑う。
しばらくの沈黙の後に鳴り響く拳銃の音。同時に刹が走り出す。長い銀の髪がゆらゆらと揺れて、日の光を浴びて輝く。楓が追いついてこないため、能力を使う必要もないと判断したのか幾分か肩の力を抜いているようにも見えた。しかし、楓は静かに息を吐いたかと思えばすべるように移動し、刹に迫っていた。それに気づけば、刹は僅かに目を見開いてスピードを上げる。それでも楓はすべるように移動して刹にぴったりとくっついて差を開かせない。
「リンク……能力使用を宣言します」
小さな声で刹が呟いた。ハウリングにも良く似た音が響いたかと思えば、刹のスピードが急に上がる。流石にそれについていけなかったのか刹と楓の間が開く。決して大きな開きとは言えないが、抜かされないだけマシか、そんな風に呟いて妥協することにしたらしい刹。刹からバトンを受け取り走り出したのは桜梨だった。静かな展開にキョトンとする教師達を無視して颯爽と走り抜けていく。対して光は羽音にバトンが渡っていた。走りでは勝てないとでも思ったのか、背中に天使の翼のような真っ白な翼をはやして、高速で飛び桜梨を抜かした。抜かされた桜梨の方は僅かに驚いたような顔をしながら「あれはありなのか?」と首をかしげ、あちこちからスピードを奪い取り更にスピードを上げる。
羽音は抜かされまいと桜梨に向けて氷の刃を放つ。容赦なく降り注ぐ隙と覆った刃は容赦なく桜梨の肌を傷つける。肌を伝い落ちる血の感覚に顔をしかめながら桜梨は走ることはやめない。反撃しようにも一々能力を奪い取ったりするのも面倒くさい、そう考えて桜梨は氷の刃を避けながらも走る。そんな地味な展開で第三走者にバトンタッチ。光側の三番手は涼だ。滑るかのように進んでいくのを蓮が眺める。半周近くの差が開いてしまったが何とかなるだろうと考えてため息をつく。
渡されたバトンを握り、蓮が走り出す。その瞬間にシルフィードを召還し、ふわりと飛び上がって、スピードを上げる。手を払うような動作をすれば凄まじい音と共に風の刃が飛ぶ。放たれた風の刃は真っ直ぐ涼の足に向かって飛んで鮮血を散らす。辺りからざわめきが起きるのも無視して、蓮が涼を抜いた。負けるもんかなんて涼が呟けば血の流れている足が不自に歪んで傷を消していく。足の傷が塞がった頃、涼の手から光線が放たれる。不健康なほどに真っ白な光線だ。
それに気づいた蓮は蓮で、右手から淡く輝く光を放つ。精霊の力が具現化したものである。強烈な光が散り、光線と精霊の力が相殺して消える。そこからはもう簡単。火がついたかのようにお互いが能力を全力で放ちあって走る。グラウンドのあちこちが凸凹になってしまっているが、当の本人たちは気にしていないようである。
「さていよいよラスト!! アンカーは光高等部生徒会、会長の秋月 湊と闇中等部生徒会、会長選抜情報処理の小鳥遊 刹です」
明らかに興奮したかのようなアナウンス。前を走る刹の足を絡めとろうと植物の蔓を伸ばす。それを無言で燃やし尽くす刹。軽く悲鳴を上げながらも次々と植物の蔓や、葉を刃のように固めたものを投げつけたりする。刹も刹でナイフを大量に作り上げて湊が飛ばしてくるものにぶつけては打ち落としていた。上がる歓声ともっと激しい戦いを繰り広げろなんていう罵声を無視して、刹はひたすら走る。
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終わりまで押し込もうとしたら、本文が長すぎると言われましたorz
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