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Il record dell’incubo〜悪夢の記憶〜
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霧月 蓮_〆
◆REN/KP3zUk
:2011/08/17(水) 18:35:24 HOST:i121-114-184-49.s04.a001.ap.plala.or.jp
第五章 体育祭と言う名の小規模戦争
朝早く、鳴り響く轟音で全生徒が叩き起こされた。本日は桜梨が生き返ってから一週間。体育祭の日であった。この学園の様々な行事のいくつかは能力のランクを正確に出すためのものである。その中でも体育祭は能力と能力がぶつかり合うものである。また、この学園の行事の中では珍しく、生徒の保護者も見ることが出来る。他に生徒の保護者が見ることが出来るのは初等部学芸会と、中等部以上の学園祭だけなのだから、保護者が張り切ることも納得できるだろう。事実開始三十分前にして保護者たちは場所取りを完了し、開始を今か今かと待ちわびているのだ。
他の生徒よりも早く出てきて様々な機械の設置を手伝う闇、光双方の生徒会は深くため息をついて、張り切る保護者達に目をやる。毎年のことではあるがいくらなんでも張り切りすぎだろう何て考えて全員が全員呆れたような表情を浮かべた。それでも作業をする手を止めると教師達の怒号が飛んでくるから作業だけはやめない。だんだんミスがあるんじゃないかと心配になってくるが、その辺は最終点検の係に丸なげである。そんな雑な作業でも教師たちが文句を言わないのは人間平気にもなりうるメンバーを下手に刺激したくないからなのだろう。光はそうではないとは言え闇も一緒に作業をしている。実際は闇のメンバーだからと言ってキレやすいと言うわけではないのだが、教師たちは一種の偏見を持っているらしい。
「なぁんか、むかつく物言いですね」
そんなことを言いながら湊を睨みつけているのは刹であった。腕に闇中等部生徒会会長推薦情報処理と書かれた腕章をつけていた。なぜ楓や他のメンバーがバッチなのに刹だけが腕章なのかと言えば、単純にバッチを紛失してしまったからなのであるが、本人は微塵も反省したり探したりする気は内容である。いや、戦闘の途中で粉々に砕け散っているので探しても無駄だったりするのではあるが。睨みつけらている当の湊はと言えばニコニコと笑みを浮かべて刹の頭を撫でていた。そんな様子を眺めて、刹がキレしまわないか冷や冷やするのは月華と蓮だった。八つ当たりとか勘弁だと呟いている。
そんな横では風雅と優希が口論を繰り広げているし、楓は目が見えないから危ないと言われて日陰に避難させられている。それでも作業が順調に進むのは淡々と機材を運ぶ羽音と、精霊を召還して手伝わせている蓮がいるからであろう。この現状を眺めて紅零は呟く。小さな誰にも聞こえないような声で「今年の生徒会は大丈夫なのかしら」と。この言葉が聞こえていたなら蓮や教師たちは同意して頷いていたのだろうが、言葉は紅零以外、誰にも聞こえずに終わった。
「刹、遊んでないで戻って来い」
ため息をついて湊を睨みつけ続ける刹を呼び戻して、作業にもどらせる紅零。湊がキョトンとしながら近づいてこようとしたが紅零はそれを無視して作業に戻った。しばらく固まった後に、少し悲しそうに苦笑いを浮かべて湊も作業に戻った。そうして準備作業は淡々と進んでいく。大騒ぎされるのも嫌だが、淡々と作業されると作業されるでなんだか心配になってくる教師陣。何か企んでいるんじゃないかと考えては闇の方をちらちらと覗き見た。それに多少の不快感を覚えながらも表情に出したりはしない。妙なところでポーカーフェイスの上手い連中だった。まぁ悠斗だけは不愉快そうな表情をしていたのだが。
そんなこんなでどうにか準備作業が終了して解散の号令を掛けられる。と言っても作業が終わったのは体育祭開始十分前だ、殆ど時間がないし朝食ももう食べ終わっている。服装については制服でやろうが体操服でやろうが自由なんていうことになっているので着替えさえも実は必要がない。そのためか多くは特別に設けられた生徒会チーム席にそのまま座って開始のときを待っていた。風雅と優希はものすごい速さで着替えに戻っていったが。生徒会チーム席は闇のものと光ものの、二つあるがその二つが隣り合ってしまっているので、非常にピリピリしたムードになってしまっている。まぁこれから起こるであろう事態を考えてか攻撃したりはしないのだが
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