[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
メール
| |
ストレンジ
8
:
ドウミ・モンド
:2011/01/26(水) 17:05:10 HOST:nttkyo907138.tkyo.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
女将さんが、厨房についている唯一の小さな窓を開けてやると、虫たちはそこから風のように飛び出していった。
「早く戻ってきておくれ」
女将さんはいそいそと、調理器具を探し始めた。
バーキスが来たのは、それから少したった後のことである。
彼が宿屋の扉を行儀よく叩くと、中から疲れきった顔をした、宿の亭主が姿を見せた。
バーキスの姿をみると、彼はわっと泣きながらすがりついた。
「た、助けてください、バーキス様!あの忌々しい子供が、私達の宿に居座っているのです!これでは客が寄り付きません!このままでは私の宿がつぶれてしまいます!」
「おやおや、彼を軽くあしらってしまったようだね。可哀想に。しかし、私のほうにも非がある。すまないね、今すぐ彼を連れて行こう」
「ああ、ああ、どうかお願いします!やつはもう三十皿もうちの宿の料理を食ってやがるんです!あの野郎、うちの食料庫を空にするつもりだ!」
バーキスは、わめく亭主の頭をなで自分の体から離すと、宿へと入っていった。
中には、山と詰まれた皿と、その真ん中に少年が座っているだけで、他の客はいなかった。厨房のほうから、女将さんの忙しそうな足音が聞こえる。
バーキスはため息をついた。少年も、彼の姿に気づいたようだ。今食べている、カリカリに揚げた鳥のモモ肉をそこらに放ると、バーキスに嘘っぽい笑顔を向けた。
「や、おじいちゃん。素敵な宿だね、ここは」
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板