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ストレンジ
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ドウミ・モンド
:2011/01/25(火) 01:40:23 HOST:nttkyo715176.tkyo.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
一方こちら上下山亭・・・
「悪ぃな坊主、ガキは一人じゃ泊まれねぇんだ」
「はぁ!?何でさ」
「規則は規則。ガキは保護者同伴。例外は無し」
がたがたの歯並びをしていて、でっぷりと太った亭主が、カウンター越しにガハガハと笑った。少年は憎憎しげにそちらを見る。亭主はかまわず宿帳を閉じた。
「おぅ、きをつけろぉ、ぼうずぅ。一人でいると、化け物にくわれちまうぞ」
「ままぁ、怖いよぅ、てか。ぐわはははははは!!」
酔っ払った客が二人、少年をからかった。亭主も同調して、背をそらせるように笑った。
この宿は、一階が酒屋、二階が宿になっているのだ。だから一階のいたるところには、どうしようもなく酔っ払った男もいれば、隅っこのテーブルでポーカーをしている男達もいた。少年をからかったのは、先程まですぐ手前の席でちびちびと酒を飲んでいた二人組みだった。
少年が舌を鳴らす。
「おぉ?何だこいつぅ、ガキのくせに生意気なぁ」
「へっへっへ、こいつはあれだよ、びびりを押し隠していんのよ」
「がははは!!ちげぇねぇ!!」
三人が馬鹿笑いをした。亭主は愉快そうに腹を抱え、酔っ払った二人組みは、少年を指差している。
少年がにっこりと笑みを浮かべた。ゆっくり、そして大きく。目を細めて、さも幸せそうに、嘘っぽく。
そして、
「うひゃぁぁぁぁぁ!!!!」
「わはははは、兄弟どうしたその頭、燃えてるじゃ・・・・・・・・・・ああ?・・・あっつ!あっつっつ!うひゃ、うびゃ!俺の頭も燃えてるぅ〜!!!」
二人の酔っ払いは、奇声を上げながら、宿中走り回った。
ポーカーしている男達も、飲んだくれて眠っていた男も、田舎者をたらしこんでいる女も、愛想笑いを浮かべながら酒を盆にのせて運ぶ女将さんも、皆、そっちを見た。
「あっつ!あっつ!だ、だれか頭が焼け焦げちまう!!!」
二人はがんがんと、壁に頭を打ち付けて火を消そうとしたが、駄目だった。消えるどころか、もっと火が強くなった。大の大人二人は泣き喚きながら床にへなへなと座り込み、今にも失禁しそうな勢いである。
「あはは、ままに助けてもらえばぁ?」
皆ぎょっとして少年を見る。亭主は、一歩、二歩と、自分の腰ぐらいしかない背丈の少年から離れいった。
一番早く動いたのは女将さんだった。素早くカウンターのほうに向かうと、水のいっぱい入った樽を抱えて、酔っ払い二人の頭に、ざばっとかけたのである。
一瞬、宿内が静まり返る。
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