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真実の瞳とサーカス団

6りほ:2010/12/06(月) 17:59:11 HOST:cm017.ucat7.catvnet.ne.jp
♯1 『銀色の髪』

 〜オアシス〜
「ねぇ〜、団長。本当にここでやるんですか?」
 茶髪の元気そうな少年が周りを見回す。見渡す限り砂漠しか広がっていない。
 真っ黒なコートを着た背の高い男の人が団長だろう。
その人が少年の質問にゆっくりと答えた。
「クロイ、ここでこそ『グランド・ディエルサーカス』が必要だとは思わないかい?」
「そうよ、クロイ。当たり前のこと言わないでよ。」
 今度は茶髪のツインテールをした綺麗な女の子が、ぶっきらぼうに答えた。
「なんだよ、クレア。お前だって思ってたくせに。」
 クロイとクレアは、一卵性の双子。クレアもクロイも気が強く、よく反発しあっている。
「こら、あんたたち! あんまりふざけてると……どうなるか分かってるわよね?」
 黒髪のキリッとした瞳の女の人が双子をたしなめる。
 双子は縮こまって上を見上げて言った。
「「リン…ごっ…ごめんなさい……。」」
(リンは身長が185cmある。)
「さあ、行くか。」


 オアシスにある、こじんまりした店の中。
「さあ、世にも珍しい銀色の髪の娘。どうです、どうです?」
「100!」「110!」
 ガラガラした声が店の中を飛び交う。
 娘は髪が足までありそうな銀色の髪を、無造作に後ろに垂らして、
まるで、自分とは関係無いような顔をして、床の一点を見つめていた。
 そう、団長が店に入ってくるまでは。

続く…


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