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真実の瞳とサーカス団

23りほ:2010/12/11(土) 18:18:41 HOST:cm017.ucat7.catvnet.ne.jp
続き…

「うんまっ!」
 クロイが声を上げる。
「ちょっと、クロイうるさい!」
「あんたもね。」
 クロイとクレアが喧嘩をしている横でリンは、
何事も無いように静かにラタトゥイユにぱくつく。
 リンってすごいな。年は18歳らしいけどそれよりも年上に見える。
「ねえ。緋色って明日出て行っちゃうの?」
 緋色は突然のクレアの質問に驚いた。
 たしか『団長は一緒に来るかい』とは言ったけど
『一緒にサーカスの一団として来ないか』とは言ってない。
 急に不安になった。私はどうすればいいのだろう。
「でも――」
 リンが口を開く。それを合図のようにクロイがいきなり立ち上がる。そして
「クレア、ちょっと来て。クレアに見せたいものがあるんだ。」
 クロイはにっこりと笑って、そしてみょうに焦りながら、クレアを連れて緋色たちから離れた。
 リンがはあっとため息をつく。
「さあ、緋色。本題よ。あなたはここにいるつもりなの?」
「………………。」
 緋色は黙り込む。そんな緋色を見てリンは眉間に指を当てて考え込んだ。
「言い方を変えるわ。あなたはここにはいないと選んだらどうするつもりなの?
 あなたはただ、髪の毛が銀色なだけよ。それを売ったらちょっとは高くつくかもしれないけれど…
 この国では、未成年の職務採用はなかなかされないし。」
「……………。」
「それに、あなたは前、人身売買で売られそうになったし、
 そんなあなたを誰が受け入れるの?」
 きつくて、重い一言。だけどその言葉は心にぐさりと突き刺さる。
だって、それは事実だから。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 私はどうすればいいのだろう。
 月は私とはまったく違う。
明るくて綺麗で暖かくて、それに自分を持ってる。
 そう、リンだって。クレアだって。クロイだって。

「!!!!」
 いきなり口をふさがれる。
 何?なにがあったの?
 あれ? 視界が揺らぐ。
 最後に聞こえたのは
「久しぶりだったな。銀髪。」
と言う、ルシファーの声だった。

続く…


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