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真実の瞳とサーカス団
22
:
りほ
:2010/12/10(金) 19:05:33 HOST:cm017.ucat7.catvnet.ne.jp
続き…
怖い。私は異常なのかもしれない。
近づいてくる人たちが信じられない。みんな、私の銀髪目当てじゃないかって。
PM12:00
緋色は布団からゆっくり這い出す。
眠れない。さっきの『あれ』が目に焼きついて離れない。
ミシミシ。
緋色はなるべく音を立てないようにキッチンに近づいた。
キッチンの場所はサーカスが行われる舞台の横。リンが紹介してくれた。
「うわ…………。」
キッチンは酷く汚れていた。何日前か分からないほど前の皿がシンクに山積みになっているし、
コンロには焦げやらがべったりと張り付いている。埃はそこらじゅうにあるし、
蜘蛛の巣なんかもある。
「お世話になったしな。」
そう言うと、緋色は腕まくりをしてシンクのお皿を片付け始めた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「よしっ!出来た。」
キッチンは綺麗になり、ついでに簡単な料理も出来た。
ラタトゥイユを片手に緋色はキッチンを出た。
「ん?」
舞台のほうが明るい。誰かがいるのかと緋色は近づいた。
そこには、クロイとクレアとリンが練習していた。
クロイはレイピアという細身で先端の尖った剣を操っていた。
レイピアは幅が2.5センチほどで全長が1.2メートル。
複雑な柄が手の甲に施されている。クロイは身のこなしが軽やか。
一突き一突き、真剣そのものだ。
クレアは精神統一しているように、隅のほうに座りぶつぶつ呟いていた。
クレアの頬を流れる汗は尋常じゃないほどの量の汗だった。
リンは天井の一転から、一転へと渡された何本もの綱の中の一本の上を逆立ちで歩いている。
しばらく行って、綱の真ん中に来ると近くの綱に片手で飛び移動する。
その下にはクレアが精神統一しているというのに。
なんとも涼しげな顔で渡っている姿は同じ生き物とは思えないほど。
「あっ!緋色。」
クレアがぼーっとリンを眺めていた緋色に声をかける。
「なんだ、それ!」
「あら、おいしそ。」
クロイとリンが近寄ってくる。2人とも汗びっしょり。
緋色は自分で食べようと思って、作った自分が恥ずかしくなった。
そして、適当に誤魔化してみせる。
「こっ…これ、差し入れなの!」
もうちょっと、続きます。
一話一話がが長すぎますね。反省してます(汗)
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