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真実の瞳とサーカス団

16りほ:2010/12/08(水) 21:56:49 HOST:cm017.ucat7.catvnet.ne.jp
続き…

「私には名前なんかない。親は名前を付ける前に、
私をルシファーに売ったと聞いてる。」
 ぶっきらぼうに少女は答えた。
そして髪の毛のほぐれをいじりだす。
「じゃあ、なんて呼べばいいのかい?」
「お好きにどうぞ。ルシファーは『銀髪』とか『おい』と呼んでいたけど。
 大体、名前なんて他の物と区別するためだけの物でしょう?」
 団長は困ったように頭を掻いた。そしてしばらく悩みこむとこう尋ねた。
「君の好きな色は?」
 少女はくだらないと言う顔で答える。
「赤。」
「じゃあ、緋色。君の名前は緋色だよ。」
「……ひいろ?」
「そうだよ。他の物と区別するだけの物でも、好きな物のほうがいいじゃないか。
 気に入ったかい?」
 にこやかに笑う団長に、緋色はなんともいえない表情でこくんと頷く。
 ひいろ。ひいろ。ひいろ。ひいろ。
もらった名前を何度も繰り返す。
本当に、とても嬉しかった。 

 すると、団長の傍に一人の女性が立っていた。
185cmほどありそうな黒髪の綺麗な人。
 そして、こそっと団長に何か話すと、にこっと笑う。
団長もそうだなと頷く。
「今から私は自分の家に戻るのだが緋色も来るかい?私は緋色を買ったけど、
何も私と共に来ることは無いんだよ。君はもう自由なのだから。」
 突然思い立ったように団長が言った。
 緋色は迷った。どうしよう?
 そうすると、黒髪の女性はひょこっと顔を出す。
そして空を指差す。
「今日は暗いから、とりあえず泊まっていきなさいよ。」

 
 続く…
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 助けて。あの時が恋しくてたまらない。
この声が皆に届かないなら、もう自分だけで行動するしかないのかもしれない。
 私は声をかけた。
「ねえ。私、あんたに前からイライラしてたんだよね。」


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