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○。やっぱりさ、運命には逆らえないんだよ ○。
7
:
櫻
◆jZgVcLWus2
:2011/04/02(土) 23:17:28 HOST:i222-150-145-237.s04.a011.ap.plala.or.jp
+弟だから…いけないの?+
「秋(aki)」
inリビング
急いで朝食の席に着くと隣の有彩から声を掛けられた。
「あ、あのさ…秋に話したい事が…あるんだ…後、ちょっと良い…?」
最近は有彩から声を掛けて来る事なんて殆ど無かったから吃驚した。
「有彩…?うん、分かった。」
別に断る理由もないし…。
「じゃあ…1限目の時間にC棟の屋上で待ち合わせ。良いよね?」
でもその後の有彩の言葉に少し困った。だって1時限目は…。
「…うん。良いよ。」
でも有彩との話の方が大切だよね。って思ってそう答える。
有彩と話か…楽しみだな…。
inC棟屋上
楽しみにしてたせいかHRが終わるとすぐに俺は教室を飛び出していた。
早く…早く有彩に逢いたくて。1時限目の体育なんてもうどうでもよかった。
ただ、有彩の話を聞きたくて…俺の話を聞いてほしくて…。
でも有彩はまだ来てなかった。いつも有彩の方が早いのに…。
少しがっかりして空を見上げた。今日はそれなりに天気が良い。そんなことを考えてる時だった。
「あ、秋…。」
有彩の声がして屋上への扉の方を見る。少し息が上がってる所を見ると走って来たらしい。
「有彩…。」
改めてこうしていると何だか…。
「1限目、体育だったのにごめんね…。でも、やっぱこれだけは言っておきたいかなって思って…。」
少しずつ有彩が歩み寄ってきて…。逃げ出したいくらいだった。
「良いよ、別に…。話って、何?」
でもあんなに楽しみにしてたのにって考えたら逃げだせなくて。今にも泣き出しそうなのをぐっと堪えてそう言った。
「秋は知ってる…?兄弟愛って言葉…。」
有彩がもう残り1メートルくらいの距離まで来てて、じっと見てるから目を合わせるのが怖くて…目が泳いだ。
「知ってる。でも…いけない事、なんだよね…。」
有彩の問いに答えながら有彩の足に目を落とす。すると有彩が1歩近づいて来て反射的に体がビクンと震えた。
「どうしたの…?秋、変だねぇ…。」
有彩の言葉一言一言が耳に残って頭の中でぐるぐると回る。
有彩の伸びてきた手に触れてきた冷たい手に僕の身体はガタガタと震える。
「どうも…しなひよ。変なんかひゃなひ…もん…。」
僕は…俺は俯き咬み咬みになりながらもそう言う。有彩の優しさがひしひしと伝わってきて…。
「秋は嘘が下手だよ…。あたしのことが怖いの…?」
有彩の言葉が酷く胸に突き刺さった。怖いなんて…そんなこと1度も思ったこと無かったのに。今だってこの優しさに溺れてしまいそうで。
「酷い…。有彩は、酷いよ…。何で、何で突き離してたくせに…また引き寄せるの…?」
心の何処かでずっと思ってた疑問が口から出てくる。酷いって言うのはこの優しさに自分が溺れないように言った言葉で。
この優しさに素直に溺れてしまえば良いのに素直になれずにいる俺自身が嫌になって。
「ごめん…。諦めきれ無かった…。自分の気持ちに嘘はつけなかった…。」
言葉を聞いてほんとに泣きだしそうになった。俯いてたから有彩の顔は見れなかったけどその声はかなり震えてて今にも泣き出しそうで。俺は最低な奴だって思った。
こんなに不器用な姉を持ってその不器用さを人一倍理解しててなのに俺は酷いこと言って。
優しく右腕を引き寄せて抱きしめてくれる有彩に合わせる顔が無かった。だから俺は有彩の顔を胸に埋めさせて強く抱きしめた。
「有彩…。僕……俺も有彩に話したい事があるんだ。」
言わなきゃいけない。俺自身に言い聞かせるように…有彩に思いを伝えるように…。
サァーっと風が吹き抜けた―――…
続く――
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