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○。やっぱりさ、運命には逆らえないんだよ ○。

6 ◆jZgVcLWus2:2011/02/12(土) 15:25:39 HOST:i58-93-119-188.s04.a011.ap.plala.or.jp
+弟だから…いけないの?+
「有彩(arisa)」



inリビング

 「あ、あのさ…秋に話したい事が…あるんだ…後、ちょっと良い…?」
 最近は自分から必要以上に声を掛ける事なんて無かった。でも今回は特別…。
 「有彩…?うん、分かった。」
 秋の返事を聞いて内心ほっとしてるあたし。
 「じゃあ…1限目の時間にC棟の屋上で待ち合わせ。良いよね?」
 秋の顔色を窺いながら口にする。なんでこんなことしてるんだろ…。
 「…うん。良いよ。」
 秋はちょっと困った様子を見せたけどすぐ笑みを浮かべてそう言ってくれた。


 いつも変わらず繰り返していた輪のような毎日がこの言動をきっかけに一転することとなった――…





in教室

 「ねー、有彩ぁ。1限目バスケじゃん?ウチらとチーム組まない?」
 そっか、さっきの秋の様子の意味を今頃になって理解した。1限目は体育。女子はバスケで…
 「ごめん、ちょっと気分悪いんだ…。だから体育は休む…。」
 男子はサッカーだっけ?秋、運動できないからなぁ…。まぁ、あたしは嘘ついてでもサボるけどね、体育なんて。
 「そっか、じゃあ…お大事にね。皆行こ、遅れたら五月蠅いし…。」
 安堵の溜息ってやつか?思わず零れてしまった。さて、皆が移動してる間にあたしも行こ…。






inC棟屋上

 「あ、秋…。」
 自分の方が早いだろうなんて思ってたが為に秋の方が早くて少し吃驚した。
 「有彩…。」
 自分と秋とのこの距離感がもやもやする。なんで距離を置いているんだろう?
 「1限目、体育だったのにごめんね…。でも、やっぱこれだけは言っておきたいかなって思って…。」
 少しずつ秋に歩み寄りながらそう言葉にする。
 「良いよ、別に…。話って、何?」
 少し秋の言葉が途切れ途切れに聞こえる。良く見れば少し涙目になってる。
 「秋は知ってる…?兄弟愛って言葉…。」
 秋との距離は1メートルほどの所。秋の目が泳いだ。
 「知ってる。でも…いけない事、なんだよね…。」
 あたしが1歩近づいた瞬間な気がビクンと身を震わせた。
 「どうしたの…?秋、変だね…。」
 秋の頬にそっと手を伸ばして触れる。秋の身の震えが伝わってくる。
 「どうも…しなひよ。変なんかひゃなひ…もん…。」
 秋は俯く。その咬み咬みで震えている声が胸に深く突き刺さる。
 「秋は嘘が下手だよ…。あたしのことが怖いの…?」
 秋の態度に胸がきゅっと締め付けられる。避けられてる…本能がそう語っていた。
 「酷い…。有彩は、酷いよ…。何で、何で突き離してたくせに…また引き寄せるの…?」
 そっか、酷いんだ…あたしって。そうだよね、自分勝手過ぎるんだよね。
 「ごめん…。諦めきれ無かった…。自分の気持ちに嘘はつけなかった…。」
 いつの間にか目は涙でいっぱいになってた。見られたくない、秋にこんな姿。
 秋の右腕を引っ張って抱きよせる。あれ…?秋の方頭一つ分くらいおっきい。
 「有彩…。僕……俺も有彩に話したい事があるんだ。」
 サァーっと風が吹き抜けた―――…



続く――


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