したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

○。やっぱりさ、運命には逆らえないんだよ ○。

5 ◆jZgVcLWus2:2011/01/15(土) 17:26:39 HOST:i114-183-128-120.s04.a011.ap.plala.or.jp
+弟だから…いけないの?+
「秋(aki)」



 目を薄ら開けるとまだ外は暗かった。
 トイレに行きたくなりもぞもぞと布団から出る。
 昔は有彩も一緒に行ってくれたのにとか考えながら部屋を出てトイレへと向かった。



in廊下

 「やっぱり暗…? なんで明かりが付いてるんだろ…?」

 トイレへ向かう途中、いつもは真っ暗な廊下なのに今日はリビングへの扉から光が漏れていた。
 こんな時間に親が起きてるなんてと思い扉に寄って行き中の音に耳を済ませる。


 「あいつ等ももう中3だ。何時までも子供じゃないんだ。」
 「貴方…何が言いたいの…?」
 「あいつ等の部屋を分けた方が良い。これから先のことも考えて。」
 「……あの子たちに限ってそんなことは無いと思うけど。でも…そうね、考えましょう。」


 部屋を分ける…?有彩と別々の部屋…?
 そんな…なんで?
 話を聞かなきゃ良かったと今更後悔した。




in子供部屋

 トイレを済ませ部屋に戻る。
 部屋では何も知らない有彩が小さな寝息を立てて寝ていた。
 「ねぇ、有彩。僕等の部屋、別々になっちゃうんだって。有彩は…嬉しい?」
 気付けば自分はベッドの梯子を上り有彩の上に居た。
 「有彩、僕等はもう子供じゃないんだって。」
 何も出来ない癖にこんな姿勢になって俺は馬鹿だよね。
 有彩だったらもっと大人な対応をしているだろうに…。
 そう思いながらベッドを下りて自分の布団へ行く。


 ねぇ有彩、俺は有彩が好きだよ…。
 

 有彩、もっと俺を見てよ…。


 俺の傍から離れて行かないで…傍に居て…


 お願いだから…


 一緒に居て―――…





















































――翌朝――


 ―――――ゴンッ




 「ったいよ!!」

 夢の国に居たはずなのに一気に現実の世界へと引き戻される。
 いつものように有彩が俺を起こしに来たのだ。
 朝から頭突きかましてよくもまぁ平然と一日を送っていけるもんだ。
 にしても今日のは痛い。いつも以上に強烈な一発。

 あれ…有彩?

 いつもとは違った有彩の様子が瞳に映る。
 「あ…朝だって言ったのに…起きないのが悪いんでしょ…」
 ……やっぱりいつもと変わんないか…?
 そんな事を思いながら俺はいつものように
 「そんなの聞こえ無かったよ」
 と返す。

 いつもと変わらないはずの一日なのに何だか気分が浮かないのは親の言葉が忘れられないから…?




 有彩…いい加減こんな生活やめようよ。

 俺はもうこんな生活耐えられない…



 ねぇ…一緒に遊ぼうよ、有彩―――…



続く――


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板