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○。やっぱりさ、運命には逆らえないんだよ ○。

29 ◆jZgVcLWus2:2012/01/22(日) 20:08:26 HOST:i114-185-55-174.s04.a011.ap.plala.or.jp
+弟だから…いけないの?+
「有彩(arisa)」



in子供部屋

 気付いたらもう朝だった。まさか本当にお母さんが来ないとは…ちょっと計算外だった。
 秋の事だからどうせ余計なこと言って秋以上に心配症のお母さんが来ると思っていたのだが…。
 まぁ、いいか。ゆっくり眠れたし。
 「秋…相変わらずだなぁ。」
 こんな寒いというのに布団から手足が飛び出てる。一体どう寝たらこうなるのか…?
 そんな事を考えながら布団の中に手足を入れてやる。普通だったら目を覚ましても良さげだが、秋はこんなんじゃ絶対目を覚まさない。
 洗面所へ行き身支度をする。
 「有彩ー、秋を起こして来い。」
 朝から大きな声出さなくても…もう少ししたらそっち行くのになぁ。
 お父さんは気紛れだから仕方ないかと思いつつ子供部屋へと向かう。
 「秋ー朝だよ、起きな。」
 言いながら秋を揺さぶる。でも、起きる気配はない…。
 「しょうがない、今日もお目覚めの一発いきますか。」
 息を吸って勢い良く――

 ゴンッ

 「…っ」
 「おはよ、秋。」
 秋は額をおさえながら寝ぼけ眼であたしを見る。
 「おはよ…有彩。」
 秋の声の調子が沈んでる気がする。気のせいかもしれないが聞いてみた。
 「何か不満でも?」
 「別に。」
 何故か秋はそう言って布団に潜ってしまった。何がいけなかったのか、あたしには分からない。
 「…秋?」
 「何?」
 返事はすぐに返ってくる。でもこれは明らかに拗ねてる。一か八か言ってみるか。
 「秋、おはようのキスはないの?」
 返事がない。図星か…多分秋が不機嫌なのは昨日のあれがあったのにいつもと変わらず頭突きで起こされたからだろう。
 「…あるよ。」
 その言葉を聞いたと思うと同時に秋の顔が目の前にあった。
 「秋、怒ってる?」
 唇が触れ合う。それはほんの少しの時間だった。
 「怒ってない、今はね。でも、明日からはもうあんな起こし方はしないで欲しいな。」
 「それは構わないけど、起きれるの?」
 少しの沈黙があった。
 「有彩が苦しくなるまでしてくれたら絶対起きれるよ。」
 秋が笑った。冗談で言ったのか、それとも本気で言ったのか、笑いで分からなくなってしまった。
 「…あのさ、それってこっちも苦しくない?」
 「まぁ…その辺は上手くやってよ。お姉ちゃんなんだからさ。」
 秋は簡単に言うけど、そんなのどうすればいいのか分からない。
 キスだって、生まれてから秋としかした事ない。親を除けば。
 こんな時ばっかりお姉ちゃんなんだからって片付けるのはずるいんじゃないかな?
 「有彩?」
 「じゃあ、練習させて…?」



続く――


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