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○。やっぱりさ、運命には逆らえないんだよ ○。

12 ◆jZgVcLWus2:2011/12/17(土) 22:32:39 HOST:i118-19-59-107.s04.a011.ap.plala.or.jp
+弟だから…いけないの?+
「有彩(arisa)」



 「まずはごめん。さっきのは言い過ぎた。」
 秋は頭を下げて謝ってきた。さっきというのは酷いと言ったことだろうか?
 「有彩が俺のこと嫌いになって離れて行っちゃったんだって…そう思うと凄く怖くなった。」
 今までの日々を思い返るように語る秋。その目は少し潤んでいた。
 「でも…有彩が嫌いになってないって知って…ほっとした。」
 微笑を浮かべてあたしを見てる。秋と目が合わせられることがこんなに嬉しい。
 どうして離れたりしたんだろう? なんで秋のことをもっと見ててやらなかったんだろう?
 でも、もっとちゃんと秋のことを見てたら…こんなふうな気持ちにはならなかったのか?
 「好きって言われて…凄く嬉しかったんだ。俺も有彩のことが……大好きだから!!」
 秋に言われた大好きは、小さい頃に繰り返し言われたのとは違う意味であたしの心を温かくする。
 秋に手を取られる。あぁ、秋の手はあたしの手とは違うんだなって実感した。
 あたしの手は秋の手よりも全然小さくてむちむちと丸っこかった。一方秋の手はあたしみたいにむちむちなんてしてなくてしっかりとした男らしい手だった。
 秋とあたしが離れていた時間、その間に変わってしまったことが次々と見えてくる。
 そのことがなんだか寂しく思えて…だけど嬉しくも思えた。



 「秋…ッ」
 秋に抱きつく。今まで我慢してた分だけ今は秋を沢山感じていたいよ。
 「有彩、大好き…。」
 秋が抱きしめ返してくる。秋の匂いがする。前と変わらない秋が此処にいる。
 外見は変わってしまったかもしれないけれどこの温もりとちょっと控えめな抱きしめ方は変わってない。
 「あたしもだよ、秋。」
 あたしはこんなに素直でいいのかと自問する。でも、答えはすぐに見つかる。だってあたしは我儘な娘。
 いくら秋が大好きと言って抱きしめてくれても、それだけじゃまだまだ足りないよ。




















 離れてた時の分だけ、今だけは……秋を感じさせて?



続く――


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