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依存的僕と消失的君。

4 ◆OYVkqChdsA:2011/01/23(日) 01:23:15 HOST:249.200.12.221.megaegg.ne.jp


「まあ、当たり前というかなんというか」

 僕等がこれから一年間お世話になる教室に着いた。
黒板に座席表が張られていて、担任の綺麗な字で「進級おめでとう」って書いてある。その横に、担任のちょっとした自己紹介。
 教室ではもう何コカグループに分かれていて(流石に二年目だし、同じ小学校の奴もいるしな)、その、息を飲むような女の子は見当たらない。
だって普通、息をのむような女の子が自分達のクラスに居たら、下心丸見えの男子と好奇心むき出しで、あわよくば仲よくなって格好いい男子と仲良くなろうという女子に囲まれている。これが普通だと思う。 
―まあ、当たり前というかなんというか。
 僕等はあの時の興奮と好奇心のままに動いたが、冷静に考えれば可笑しいのだ。
転校生の女の子(しかもずば抜けた容姿をしている場合)が最初からクラスに居る事はない。よくある王道な感じでは、応接室なんかで説明を聞き、HRの最中に先生の紹介により入ってくる。これが普通。(というか別にずば抜けてなくても普通そうだろう)
 僕はため息をはあ、とついた。あいつが可愛い女の子を見る度喚いているのは毎度の事だが今回は顔が本気(と書いてマジと読む)だった。
だから楽しみにしていたのに……。うらむような気持で隣をちろり、と見た。

「はあぁぁぁあぁぁああ〜〜〜……」

 僕よりも重症な奴がいた。
重苦しくて長い溜息を吐いており、背中は腰のところで曲がっている。

「元気出せよ、HRでは逢えるさ」

 と慰めの言葉をかけるも、

「俺は今すぐあの子に会いたかった!!!!!!
良いか、男は惚れたら速攻で攻めにかかる。これが俺の精神だったのに嗚呼嗚呼嗚呼!!!!!!」

 と叫んで教室のドアのところでしゃがみこんでしまった。おいおい、迷惑になるだろ。人の事考えろ。

「ねえ、邪魔なんだけど」

 凛としたちょっと幼めの声が聞こえた。


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