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依存的僕と消失的君。

3 ◆OYVkqChdsA:2010/11/04(木) 19:34:40 HOST:249.200.12.221.megaegg.ne.jp


―――一章、四月。

 
 君と僕が出会ったのは、今から数年前。中学二年生に進級した頃だったよね。


―――



 四月、だ。四月というと、進学、進級、卒業等など。出会いと別れの季節っていうのが一般常識だけれども。
別に中学二年に進級するからと言って、そんな人生が急変するような、そんな出会いは無いのだ。 という事がわかり始めてきた。
変わると言っても、同じ室内で視界の中をわらわらとする人間が変わるだけで。面白くもなんともない。
 そんな小説的口調(?)で僕は一体何をしているのかと一人突っ込み。
まあ何を考えるにも行動をしなければ始まらないわけで。僕は自分の指定されたクラスに向かった。
「――…!――…!」
 誰かが僕を遠くで、そして大声で呼んでいる。このいやに陽気で、明るくって声のよく通る奴は…。
あいつしか居ない。 嫌な予感が僕の全身を血のように駆け巡る!
 ヤバい、このままではあいつの力強い平手打ちを背中にお見舞いされる事になる!

―バシッ!

「っつう!」

 背中に突き刺さるような痛みが走る。とても痛い。

「―っ何すんだよ!」
「なあなあなあなあ、ちょっと聞いてくれってばよ!俺さぁ、めっちゃビックなニュース聞いちまった!てか掴んできたぜぇ、その情報!
さすが俺って感じだよなー。なんつーの?こう…、俺の中の隠しきれないスタ―性とモテフェロモンが全世界の生物を魅了してしまうからこそなせる技なんだろうな!」
「嗚呼、話したい事は終わったかい?」
「いやいやいや。まだこれからが本題ですぜ健太のアニキ」
「健太じゃねぇし」
「なぁーんとビック☆ニュースだっっ!俺等のクラスに、転校生が来るらしい!」
「―転校生?」
 驚きを隠せなかった。そのため素っ頓狂な声が口からもれだす。かなりご機嫌になったようで、またこいつは言葉を紡ぎ出す。
「しかも女子!俺もちょっと応接室から見たんだけどな?息をのむような感じの女子だったぜ…!」
 小さく握りこぶしを作る。その噂の転校生の彼女を見た事思い出したのか、顔の筋肉が緩み、大変気持ち悪い感じになってしまっている。それなりに整った顔なのに、残念だ。

「転校、生…かぁ」
 ―ポツリ、と小さくつぶやいた。のが聞こえていたのか、こいつは僕の腕を掴んで走り出した。
「気になるだろ!?さっさと俺等の教室に行こうぜ!」
「―おう!」
 ざわざわとしている同級生の群がりを割って走り進む。よくありがちな光景だが、何故だか今回は凄く心地よかった。


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