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短いお話の集い

16雷都 ◆U5wL/uVL5k:2010/11/23(火) 16:13:36 HOST:p1084-ipbfp804niho.hiroshima.ocn.ne.jp



6, 【さよならってこう言う事?】


 永遠に会えない。
 もう、君は見えない所に居る。


  「好きです、付き合って下さい!!」

 凄く単純な言葉。
 とっても単純だけど、凄く難しい言葉。

 それを私にぶつけてきた彼は凄いなって尊敬した。
 その後、私はどうしようもない恥ずかしさがあった。

  「はい……」

 勢いだったのかもしれない。
 流されたのかもしれない。

 その言葉が私の本心で、本当の気持ちだったのかは今は分からない。

 ずっと居る内に分かった事が沢山ある。
 彼の癖とか、彼が喜ぶ事とか。
 沢山分かった。

 この先の未来どうなるのだろうと考えた事がある。

 私達はまだ笑い合って、付き合っているのだろうか?
 もう別れてしまってるのだろうか?

 私は前者の方が良いな、とだけ思った。

 それは幸せな未来を信じているって意味であり、色々だった。

  「またね、ばいばい」

 ”またね”と言う事はまた会える。
 明日もまた会えるって事だった。


  「”またね”って嘘だったの?」

 もう喋らない。
 動きもしない彼に私は言った。

  「嘘吐き……これじゃあ、”またね”じゃないよ」

 私は一方的に喋る。
 もう何も返事もしてくれない彼にただ喋る。

  「これじゃあ”さようなら”だよ……?」

 今まで堪えていた涙を落とした。

 彼の頬にそれがかかって、濡れる。

 今まで誰か死ぬ事なんてなくて。
 家族も皆元気で、永遠のさようならなんて知らなかった。

 一番、一番大切な彼が永遠のさようならになるなんて。


  「さようならってこう言う事?」

 泣きながら最後のキスをしてやった。

−end−


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