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短いお話の集い

12雷都 ◆U5wL/uVL5k:2010/11/22(月) 15:54:09 HOST:p5169-ipbfp05niho.hiroshima.ocn.ne.jp



3, 【笑顔が一番良いのです】


  「ふふふ」

  「あはは」

 とある男女がアホの様に微笑んでいる。
 しかも笑い方はどこぞかの漫画のようだ。
 と、笑っているかと思えば突然――……。

  「手前が食ったんだろうがぁ、俺のマシュマロぉ!?」

  「食ってねえつってんだろ、この糞男ー!?」

 どうやら自分のおやつを食べられた事に怒っている男と、食べたと疑われている女の喧嘩のようだ。

  「ちょ、何ですか2人とも!?」

 何時の間に居たのかもう1人、2人よりも小さめの少女が現れた。

  「ちょっと聞いてよ、なっちー!」

 なっちーと呼ばれた少女――棗(なつめ)は自分の事呼んだ女の方を向いた。

  「何ですか? どうせまたくだらない喧嘩でしょうが」

 サラッとビターな事を言う棗にグサッと言う表情をする女。

  「酷いよ、なっちー! 第一喧嘩を売ってくるのは夜杉だよ?」

  「いや、どっちもどっちだと思います。星羅さん」

 棗はふぅ、と溜め息を吐けば2人に向き直る。

  「ネオン君も星羅さんも仲良くして下さい!」

 一番初め以外喋っていなかった夜杉ネオンが口を開いた。

  「いや、聞け、棗。アイツは俺が楽しみにしていたおやつを食ったんだぞ!?」

  「食べてないよ!!」

  「もうどっちでも良いですから静かにして下さい……」

 沢山の人が行きかう中、2人の大喧嘩に棗は溜め息を吐き空を見上げた。

 ――今日も2人は御馬鹿です……。でも……

 棗は2人の顔を思い出して、そっと微笑んだ。



 ――喧嘩してるのに笑顔でした……。

  「笑顔が一番良いのです」

−end−


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