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鳥籠の中の雪兎は
74
:
雪音
◆mzHXeB1fFY
:2011/03/27(日) 13:20:24 HOST:119-231-134-179f1.shg1.eonet.ne.jp
【繋がれた右手(鎖で)】 ※BL注意
――彼の友情は、何処か可笑しいとは思っていた。
僕は、彼と同じ部屋に住んでいる。狭いくせにやたら家賃が高いアパートで。2人共金のない貧乏な大学生なので、一緒に住もうという話が出た時は満場一致で決定した。
彼は僕の一番の友達。中学生あたりの頃から一緒にいる。高校も、大学も同じ学校。彼は僕なんかよりずっと賢くてもっと上の学校を狙えたのに、僕と一緒の学校に行きたいから、と、僕のレベルに合わせてくれた。
子供の頃から、僕を一番に考えてくれる人。僕が少しいじめられていたものなら、クラス全員を敵に回してでも僕を助けてくれた。僕が万引きをしたと疑われた時は、自分がしたと罪をかぶってくれた。
今では2人で仲良く暮らしている、はずだったのだけれど。
彼は一緒に暮らし始めた頃からか、少し可笑しくなってきた。
俺の携帯を勝手にチェックするし、そこに女の名前が入っているものならこれは誰だと問い詰める。近くのスーパーの女の店員と話していただけでも、二度とそのスーパーには行かないと言う。
なん、で、君はそんな風に、なっちゃった、の、
僕を束縛しないで!
そう彼に訴えかけてみたけれど、とうとう僕は殴られた。
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいと、僕の頬に、足に、手に、腹に、彼の拳や足が何度もねじ込まれてくる。
口に広がる鉄の味と、熱くなる殴られた箇所が怖くて寂しくて、僕はもう二度と彼に逆らわないようになった。
それがきっかけなのか、元々計画していたのか、彼は僕の外出を一切禁止した。
少し足りない食材を買いにいく事すら許されず、外での用事は全て彼が負う事になった。2人で必死に受験勉強をしてやっと入れた大学も、やめさせられた。
僕はいつも1人で彼の帰りを待つ。
どこにもいかずに1人で待てたなら、彼は上機嫌になって僕に沢山のキスをする。男同士だと言うのに。だが、それも拒めばまた彼の束縛は強まるだけ。だから毎回素直に彼の唇を受け入れる。
2人の間には、確かに見えない鎖が存在してた。僕の体をまとわりつく鎖、彼の心をまとわりつく鎖。
彼の為にも、そんな鎖を壊したくて。
鎖で縛られたかのように重い唇を、恐る恐る開けた。
「……ねぇ、もう、一緒の部屋に暮らすのやめない…………?」
「…………は?」
みるみる内に彼の表情が怒りへと変化していくのが分かった。
(また、殴られる)
そんな恐怖が脳内を支配するが、僕はどうしても彼から離れたくて。
「ほ、ほら、初めは、お金がないから一緒に暮らそうっていう話だったじゃん……。僕、もう大学やめたし、このままじゃただの居候だし、親の所で暮らすよ」
「ふざけんな!」
案の定、僕の頬に彼の怒りのこもった拳が直撃した。
少し口の端が切れて、血が涙のようにゆっくり流れる。きっとそこに僕の涙も流れていたのだろうけど、今はこわくて痛くてそんな事が考えられない。
「お前はずっと俺の傍にいればいいんだよ! 俺が養う、ずっと大切にするから!」
『大切にする』きっと本心なのだろうが、彼はそんな言葉とは間逆の行動――僕を殴り続ける。
いやだ、いたい。そういう叫びが口から出せないほど、彼の拳の雨は休む暇もなく、僕に降り注ぐ。熱い体と冷たい心。
ふと、突然彼が殴るのをやめた。
そして僕の右手にそっと触れる。何かされるのかと思わずビクッと反応してしまったけど、彼の指先は先程までの激しさはなく、切なくて優しい指先だった。
「なあ。お願いだよ、どこにもいかないでくれよ…………ずっと俺の傍にいてくれよ……」
僕の右手が彼の冷たい両手に優しく包まれる。彼の暖かい涙が手の甲にぽとりと落ちる。
もう、僕は彼から逃げたいなんて気持ちはなくなっていた。
彼の以上なほどの情は、友情? 愛情?
もう何も分からなくなるほど。
それでもこの繋がれた2人の手の鎖を断ち切る事ができなかったのは、2人を束縛する鎖を断ち切る事ができなかったのは、
結局の所、僕も彼を――――
****
みづきんリクの束縛物です。
ていうか束縛なのか?;; ちょっと危ないだけの人のような。
こんな汚い文章いらないだろうけど、みづきんにこの文字の羅列を贈呈しますorz
煮るなり焼くなりお好きにどうぞ←
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