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鳥籠の中の雪兎は
71
:
雪音
◆mzHXeB1fFY
:2011/03/24(木) 19:33:15 HOST:119-231-145-157f1.shg1.eonet.ne.jp
【遊女に恋】#4*end ※間接的にGL注意/舞台が遊郭なので苦手な方は注意
「小鳥遊…………」
突如俺の前に現れた小鳥遊の手には、細身で優雅な小鳥遊にはとっても似合わない、大きな日本刀。その日本刀も、小鳥遊の瞳と同じ赤に染められていた。小鳥遊もまた同じように赤く染まっている。他の色を含まない艶のある黒髪だから、余計に赤がよく映えていた。
だが、不思議な事に、小鳥遊は血を浴びてはいるものの、傷は見当たらない。
「旦那、わっちは……」
何度も何度も小鳥遊とその手に握られた刀を見比べる。小鳥遊は傷を負わず血を浴びていて、日本刀はもう他の色が見えないほど真っ赤になっていて。
ようやく、全てを理解した。
「これも、全て蝶蘭の為……? 蝶蘭の為に、遊郭一つを落としたというのか……?」
「…………」
小鳥遊は否定しない。
小鳥遊は、たった1人の惚れた遊女の為に、自分が育った遊郭を、遊女を、客を、壊した。
小鳥遊は静かだったが、急に顔をあげて焦った様子で俺に訴えかけた。あげた顔にも当然血が大量に付着している。
「旦那、今すぐ逃げてくださんし! わっちは旦那を殺したくありんせん! 旦那だけは見逃したいでありんす! さあ、早く!」
俺の着物の裾を握る。
その弱々しい左手は微かに震えていたが、確かに愛を感じ取れた。蝶蘭への、愛を。
蝶蘭の言うとおり、逃げなければいけなかったと思う。
だが俺は、言葉に従わなかった。
「俺と一緒に逃げよう!」
「……え」
この間断られたばかりだというのに、それはそれは間抜けにもう一度頼み込んだ。しかし、今度は前のように冷静ではなく、気持ちが昂っていて何が何でも小鳥遊を逃がしたい一心だった。
「こんな事をしたらお前は一生表に出て来れなくなるぞ! 暗殺されるかもしれない! 俺ならお前を逃がしてやれるから!」
「でありんすが、わっちはもう引き返せない所まで来たでありんすよ……。それに、わっちはもう蝶蘭と共に生きて行く事を決めんした」
――蝶蘭が、小鳥遊を、ここまで追い込んだのか
「だったら俺が蝶蘭を殺してやる! だったら小鳥遊も蝶蘭なんかに縛られないで、俺と自由に――――
『ずっと一緒に生きてくれる』
その言葉は繋がらなかった。
下腹部に違和感がする。言葉が出てこない。言葉の代わりに、何かがこみあげてきたのでたまらず咳き込むと、それは血だった。手についた血を見るために視線を下にずらすと、下腹部に何か見えた。
日本刀が刺さっている。
日本刀の先を目で辿る。辿りついた先は、細い手。その手の持ち主をさらに辿ると、俺が一番愛している女だった。
小鳥遊が、自分が刺した哀れな男を哀れな瞳で見つめている。
「だ……か、な……じ…………?」
呂律が回らない。沢山を喋ろうとすると、代わりに血がこみあげてくる。
小鳥遊は切なそうに顔を歪めていたが、日本刀を握る手は緩まない。むしろ、力が段々こめられてきている。
「わっちにとって旦那は大事な人でありんすぇ。 でありんすが、それ以上に蝶蘭が大事で愛していんす。でありんすから、蝶蘭との壁になるといわすのならば、わっちは旦那を切り捨ていんす 。旦那は蝶蘭より大事ではありんせんから」
小鳥遊は、涙を流していた。
そこで、俺の視界が歪み、緩やかに体が倒れて行ったのが遠のく意識の中で分かった。
俺は、生涯最も愛した女の手によって殺された。彼女が愛したただ一人の遊女の為に。
小鳥遊。遊ぶ、小鳥。
俺の心を奪って行った可愛らしい小鳥は、実は烏。
真っ黒い羽を何枚も落としながら、赤い眼で俺を睨み、残飯を漁るようにして俺の命を奪って行った。
****
展開はやい、文章きもい、誰も幸せになれてねぇww
文章力がここまでないのは、長い間書いてなかったからという言い訳を使っても良いですか。
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