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鳥籠の中の雪兎は

53雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/12/15(水) 21:29:49 HOST:180-146-101-51f1.shg1.eonet.ne.jp
  【聖夜に美しきプレゼントを】/グロ注意

 踏み入れた足から、柔らかな感触が伝わってきた。
 すっかり暖炉の火は消えてしまっているが、部屋はまだほんのりと暖かさを帯びている。
 時計の秒針とは合わない、ゆっくりとしたテンポで安らかな寝息が聞こえてきた。
 大きなツリーには、色鮮やかな飾り付けがされている。
 金銀赤青緑、暗闇の中でもその色が判別できるぐらいに、その飾りは1つ1つが輝きを放っているように見えた。その飾り達は、今目の前で眠っている子供たちがキャッキャッと声を挙げながら楽しそうに質素なツリーを彩っていくのが容易に想像できる。
 そのツリーの下には、まだプレゼントは置かれていない。これから自分がそこに素敵な素敵なプレゼントを重ねていくことになる。

 足音をたてないように、ゆっくり足を進ませ、子供達が眠るベッドに近付く。ベッドには、小さな靴下がつるされていた。様々なサイズの靴下は、どれも赤と緑の横縞柄。
 4人の子供たちは静かな寝息を立てる者から大きな鼾を立てる者まで様々だったが、全員共通しているのは、幸せそうな寝顔である事。その寝顔を見ると、自分がプレゼントを与える事がその幸せそうな表情を作らせているのだと思え、少し嬉しく感じる。
 さて、そう此処の家でゆっくりしてられない。まだ次の家がある。夜が明ける前にプレゼントを置いていかなければ。
 そう思うと、持ってきた大きな白い布の袋の中に手をつっこみ、取り出した。

 ――――大きな斧を。

 刃からは銀の輝きが放たれる。ツリーについている飾りと同じ色だ。
 まだ子供達は幸せそうな寝顔。その表情を崩さないようにゆっくり更に近付き、そして――――
 
 子供の首に、斧を振りおろした。

 真っ赤な血飛沫が飛び散る。自分にも降りかかった。
 だが、元々真っ赤な服を着ているので、これ以上赤くはならない。
 ああ、血が隣の子供にまでかかっている。それで目が覚めてしまわないようにと、他の子供たちにもテンポよく斧を振りおろしていった。その度に血が自分に降り注ぐ。服はこれ以上赤くならないが、白い髪にかかった赤い血はよく映えているだろう。今は確認する事はできないが。
 4つできた首から下がない頭を、それぞれツリーの下に運び、積み重ねていった。まるで、ツリーの下にあるプレゼントのように。
 
 うん、今年のプレゼントは我ながら中々いいな。
 聖夜に全ての子供たちの家のツリーの下に、玩具やら洋服やらを置いていくと、知らぬ間に自分はサンタクロースと名付けられていた。
 時が経つにつれ、子供だけでなくその親も喜ばせるサンタクロースになりたい、そう考えるようになると、このプレゼントの方法を思いついた。
 これなら首だけの綺麗なツリーの飾りのような姿になった子供も、それを見た親も、嬉しいだろう。
 明日これを見た時の親の顔を思い浮かべると、思わず口元からふふふと笑い声が零れてしまった。
 
 おっと、こうしちゃいられない。そろそろ次の家にもプレゼントを置きに行かなければ。
 そうしてまた斧を元の白い布の袋の中にしまい、それを担いだ。
 
 さて、次の家は――――


**** 
サンタさんごめんなさい。
あと、セリフが一切ありません。


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