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二次元school
276
:
雪音
◆mzHXeB1fFY
:2010/03/03(水) 23:49:45 HOST:119-231-186-244.eonet.ne.jp
第57話「チャット化、もしくは恋愛小説化」
「ねー、桜っち、書き始めはあたしが書いてもいー?」
「ああ……どうぞ」
もうどうにでもなれ、と若干投げやりとなりかけている心境で、相変わらず楽しそうにシャーペンを器用に指先で操りながらクルクルと回している風先輩に言った。
ああ、どうして私がナゴにラブレターを書くとかになったのだろうか。
残念ながら、私にそんな勇気は持ちあわされていないというのに。
「やったぜぃ。まずは名前からだよねー……『山崎和へ』」
「名字違ぇ!!」
風先輩が便せんに向かいあったと思ったら、いきなりナゴの名字間違えてた。
山崎って誰だ…………。
「あれ? そうだっけ? えー……じゃあ、あめでら?」
「おしいっ!」
んー? と、ナゴの名字が脳内に存在していない風先輩が悩んでいるとき、隣でずっと口出しせずに見守っていた由羽先輩が口を開いた。
「まあ、名前なんて後でええやん。 時間かければ思い出すかもしれへんし。うちもあんな地味野郎の名字とか覚えてへんし。てか覚える意味ないし」
「すごい言われよう!」
なんか、私もだがナゴもかなり扱いが酷い…………。
「ほんで内容やけど――――……まあ、手紙に書いて告白するなら、雨照くんの気に引くような書き方か内容がええよな」
「え、今由羽先輩、ナゴの名字言いましたよね。覚えてないんじゃありませんでしたっけ……」
当然の事ながら私の意見など無視され、変わりに風先輩が私とは別の観点だが、由羽先輩の発言ツッコんだ。
「なーたんの気を引く?」
「そや! ただ『好き』とか書いてたんじゃオとせへん! あのモテなさそうなくせに堅そうな野郎はな! ちっとは工夫せんとな!」
「……まぁそうなんでしょうけども」
言ってる事はまぁまぁ正論だが、さっきからナゴの扱いが気になる。
「じゃ、あたしやってみるねん」
そう言って、風先輩は持っていたシャーペンを淡い色の便せんに走らせた。
カカカっとシャーペン独特の音を発して何秒か経つと、風先輩が顔をあげて「これでどうだっ!」と私と由羽先輩に見せてきた。そこに目を移すと……
『私はなーたんの事が』
『ずっと好きでしたwww』
「笑ってる!?」
「へっへん。これは心に残るっしょー」
「最悪の形で残りますが! しかも私、ナゴの事なーたんとか呼ばないんで!」
「分かったよぅ。なーたんの所は消してナゴに直しておくよぅ。後は完璧だね」
「最後のwを消せ!」
絶対ないと思ってた文面を見せつけられた。
いや、これあげたら逆に馬鹿にされていると思われるだろ。
「じゃあ…………」
風先輩はまたシャーペンを動かすと、今度は更に自信満々の顔で「次はどーだ!」ともう1度便せんを見せてきた。
『好きでした////』
「この斜線もいらねーから! 白々しいっ!」
すると、次は由羽先輩が風先輩が持っている便せんを「貸しいや」と言い取り上げ、自分のシャーペン(副会長のプリクラが貼ってある)を取り出し、風先輩と同じようにカカカっと高い音を鳴らせて、便せんにシャーペンをしばらく走らせた。
「うちは波みたいなラブレターとは言えぬラブレターじゃないでぇ」
そう言い、風先輩と同じような仕草で、私に便せんを見せつけてきた。
『私の今の心境に似た色の桜が散る今日――……
私は決心した。
ナゴに告白しようと。
もうこの溢れるような想いに耐えきれない。ただ、この止まりを知らない想いに区切りをつけるだけだ。
言ったら、何か変わるかな。その思いだけで私はナゴに告白する。
いい加減、踏み出したいんだ。
ナゴと付き合えるかどうかなんて関係ない。ナゴに伝えたいだけ。
そんな事に思いを張り巡らせていたら、例の彼がやってきた。
今日も同じように、いや、昨日より少し波を荒げて、胸が高鳴る。
「何? 急に呼び出して……」 いつもと変わらぬ、無愛想で冷たい君。
ナゴの言葉に頷き、私はゆっくり口を開けた。
とうとう言うんだ、この恋心。
「……好きです」 』
「………………」
「どうや、うち天才やろ! 自分で泣いてしまいそうやわ!」
「やばいよぅ、ゆっぴー! あたし感動の嵐でボロ泣きだよー!」
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