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二次元school

220雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/01/03(日) 23:33:51 HOST:119-231-185-177.eonet.ne.jp
第47話「萌ちゃんへの疑惑」


 授業が開始する時間だったため、会話はそこで途切れたが――……
 昼休み、ナゴとちゃんとその話を屋上ですることになった。
その中で私はおそらく20回以上は叫んだんじゃないかと思う。驚く事がありすぎて。


 ……ナゴのお父さんは、ナゴのお母さんと離婚して、七緒という人と再婚し、萌ちゃんを産んだ。
そこで萌ちゃんはナゴの存在を知っていたが、ナゴのお母さんはお父さんの話なんかしたくなかったため、ナゴに萌ちゃんの存在は話さなかった。
一方、萌ちゃんは兄であるナゴに会ってみたかった。その為、女子中から第2椿園学校に転校してくる事になった。



「た、大変だね……」

 これしか言葉のかけようがないだろう。

「ああ、あのクソ親父の家に行った日の帰り道、母さんに確認の電話をかけたんだけど……姫伊利って名字言った瞬間に着信拒否にされた」
「すごい徹底的に嫌ってるんだね、お父さんの事」

 まあ、話によればかなり最低な人っぽかったけど……着信拒否?



「そっか……萌ちゃんは妹か……」
「腹違いだけどな」
「ぅよっしゃぁ、勝った!」
「何に? ていうか、ぅよっしゃぁっつった?」


 萌ちゃんはかなーり可愛いからナゴがとられるかと心配したけど……兄妹なら心配ないよね!
 
 ……でも、萌ちゃんはナゴの事かなり好いてるっぽいし……しかも出会った今朝、見てはいけないような人格が一瞬現れたような気がするし。未だ信じられない。
やっぱり油断できない相手なのだろうか?







「――――おにぃちゃんっ!」

 肌寒い風音と共に、高くて甘い声が聞こえた。
 声が聞こえた方向はドアの方向だ。 私とナゴは目を向けた。


「萌ちゃんか?」
「………………」


 正直、風でなびいて目に入った髪のせいで、よく見えなかったが、ナゴの言葉を聞かずとも、誰であるかはなんとなく分かっていた。
 ――――姫伊利萌ちゃん。


「お兄ちゃんっ、もぉ、お昼休みは萌を案内してよぉ。萌、お兄ちゃんがいないから怖かったんだからね?」


 萌ちゃんはそう言って小さな顔の頬を精いっぱい膨らませながらひょこひょことやってきた。
 
 なっ、何だこのハートが舞い散る話し方はぁ!


「あーっ、桜子ちゃんだぁ!」

 私がまたもやその可憐な少女に驚いていた時、萌ちゃんの大きな目が私をとらえた。
 ……朝見せた態度とは違う。
やっぱ朝のは幻覚か何かか?  うん、そうに決まってる。こんな弱々しい子がまさかねぇ……



「お兄ちゃん、やっぱり萌、桜子ちゃんに案内してもらう〜! ねっ、いいでしょ桜子ちゃん?」

 
 萌ちゃんはそう言って、私の腕に腕をまわしてきた。
か、かわい……! うん、やっぱり朝のは気のせいだったんだ!


「あー、うん、いてら」

 なんつー適当な答えだ、コイツは。でもカッコイイから許す!




「じゃあ、行こぉよ桜子ちゃん!」


「痛っ…………!?」


 萌ちゃんが私に腕を絡めたまま引っ張っていく。

 その時、私の絡められた腕に激痛が走る。
見ると――……萌ちゃんの腕がかなりきつく絡められていた。血の流れが止まりそうなぐらいに。




「桜子ちゃん? どうしたの? 早くいかないと昼休み終わっちゃうよ?」
「そーだそーだ桜子、さっさと行ってやれ」

 

 萌ちゃんは何食わぬ顔で私を見つめている。
 こんな力、本人の自覚無しで出るわけがない。


 






 ……まさか、今朝のは本当……?


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