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二次元school
186
:
雪音
◆mzHXeB1fFY
:2009/12/16(水) 09:45:27 HOST:119-231-171-134.eonet.ne.jp
第37話「萌ちゃんの家へ訪問」
『ねぇ、お母さん。なんで僕の家にはお父さんはいないの?』
『何? 和、急に』
『だってぇ、この間の授業参観、皆がお父さんとお母さんに来てもらってたから……』
『そうね、和。寂しい思いをさせて悪いわ。だけどお父さんはね……
死んだの。私の中では』
****
いつだったか……確か、俺が小学校の低学年ぐらいの時だった。
物心がつきはじめたその頃から、俺の家には母親と俺しかいなかった。
俺はなんで父親が家にいないのか、母親に尋ねたことがあった。
あの時の、『死んだの。私の中では』という言葉。
『私の中では』という響きに少し疑問を持ったのを覚えている。
私の中では、ということは、実際には生きているという事だったのか? だったらなんで自分の中で殺したのだろうか……。そして、殺されるような親父とはどんな人なんだろうか。
「はい、和お兄ちゃん。着いたよ〜」
「あ…………」
萌ちゃんの声で、俺はハっと意識が戻った。
萌ちゃんに、俺と萌ちゃんの親父に会わせてあげると言われ、
萌ちゃんに連れられて歩いてくる中、ずっと俺は考え事にふけっていた。
顔を上げると、目の前には一軒、白い造りの可愛らしい家があった。
……ここが、萌ちゃんの家か。家までもが俺の理想のメグミちゃんだった。
「どーぞ、入っていいよ」
萌ちゃんが、小さなリースがかかった白くて大きいドアを開けた。
すると同時に、家の中の臭いなのか、甘い花のような臭いがふわっと俺に降りかかった。
玄関の中は、下を見ればレースがついたフワフワのピンクのマットが敷いてあり、横を見れば花のモチーフがついた花瓶に白と薄い黄色の薔薇がささってあり、上を見れば普通の電気にハートの装飾品がぶらさがっている…………といった、玄関だけでもかなり乙女ちっくだった。
少し戸惑いながらも、俺なんかでは場違いのような玄関に右足を恐る恐る踏み入れた。
「お邪魔……します」
「はい、どぉぞ!」
萌ちゃんは嬉しそうに声を弾ませながら、俺の後ろから自分も玄関の中に入ってきた。
「パパー? ただいま――――!」
萌ちゃんが、玄関の奥に向かって声を張り上げた。
パパ……もしかしたら、俺の親父かもしれない人。
「萌か? おかえり――!」
低くて、まさに男の人……って感じの声が聞こえて、それと同時に足音が聞こえた。
それは、だんだん近くなる。 この人が俺の……?
「パパぁ、萌ね、和お兄ちゃん見つけたよ! パパに会わせようと思って連れてきちゃった!」
「え……?」と、低い声は呟いた。
「和―――――…………?」
そして、優しそうな男の人が……俺の目の前に現れた。
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