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二次元school

126雪音 ◆mzHXeB1fFY:2009/10/07(水) 02:45:14 HOST:119-231-167-176.eonet.ne.jp
第19話「ツンデレ+浴衣」


「あらぁ?誰かと思えば、庶民その1とその2とその3じゃなぁい」


浴衣というか…ドレスにもなりそうな衣装をまとってる龍造寺さんは、
私達が声をかける前にこっちを見つけた。チッ。


「その脇役扱いやめてくれるか。あんたの人生じゃ脇役かもしれねーが、俺の人生は俺が主人公なんだよ」
「な、和くんの最後のそのセリフ…もうちょっといい所で言って欲しかった気もします」


もうコント始めてやがる。みんなバカ。



「あら?あなたはなんて恰好してるのかしら、優?」

龍造寺さんは、優くんのすさまじく似合ってる女装姿を見て言った。
龍造寺さんは他の人には大抵名字だけど、唯一優くんだけは『優』と呼ぶ。ひいきか。



「えぇ、と…これは………こういう男物の浴衣です!!」



分かりやすい嘘つくな―――――――――――――!!!


龍造寺さんだってバカじゃない。こんなのすぐにバレ……


「そうなの?ふ〜ん…今時の庶民はそんなのもあるのね」


信じたよ!あんた、庶民って言葉使えば済むと思うなよ!


「全く、そろいもそろって庶民ね……こんな祭りなんて来てる時点で庶民の証拠だわぁ」
「い、いや…龍造寺さんだって来てるじゃん」

私の言葉に、龍造寺さんは鼻で笑った。


「私がこんな一般人にまぎれこむわけないじゃない。私は花火の招待席に行く途中よ」

おいおい、招待席かよ。
お嬢すぎだろ。


「では、私はそろそろ行くわ。それでは失礼」

龍造寺さんは、キラキラの扇子で自分を仰ぎながら高らかな笑い声を残していった。
なんでだろう、けなされたのに不思議とムカつかない。










「あれ、桜子と雨照と…波谷?」


後方から聞きなれた声が聞こえた。
この声………!!



「ち、千里…!?」

泉川千里。振り向くと、やっぱりそうだった。
千里は、最近私の中でも結構仲良くなってきた子だ。
前は『泉川さん』と呼んでいたものを、『千里』と呼ぶようになった。

よく、ナゴがツンデレだとわめいてる。
私もそれは否定しない。千里はツンデレでいい子だ。


「あれ?泉川」
「千里ちゃんじゃないですか。千里ちゃんも祭りへ?」

千里は優の顔も見ずに、ツンとそっぽを向きながら答えた。

「私の近所の子が来たい、って言ったから連れてきてあげただけ……何か文句ある?」




「ほぉ、今はツンか」
「ナゴ、キモい」
「すいません」


ナゴがふと千里を見て言った。


「お、浴衣?」

千里は浴衣だった。薄いピンクの、淡い桜。


「そうだけど……どうせ似合わないなんて言うんでしょ」

「いや、似合ってる」

千里は顔を赤くさせた。
そして自分の姿をぱっと見直した。


「に、似合ってなんかないじゃ…ない」
「や、可愛いし」
「かっか…可愛くないわ!別にあんたにそんな事言われて嬉しくなんかないんだから!」


千里は、赤くなった顔を浴衣の袖で押さえながら、恥ずかしかったのか走り去った。
ナゴは、「いいデレっぷりだ」と満足そうだった。







なによ、ナゴのバカ。
私にはそんな事言わなかったじゃない。
ていうか、浴衣であることにすらつっこまなかったじゃない。
それなのに、千里には「可愛い」だなんて言って。
バカ……。



自分でも分かってるよ、ただのやきもちだってこと。


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